農作物を荒らす有害鳥獣の駆除に取り組む鹿児島県鹿屋市の地域おこし協力隊「有害鳥獣ハンター」として、市出身の永吉裕之さん(44)が着任した。狩猟のノウハウを学びながら、最大3年間、活動する。

 鹿屋市でも近年、イノシシなどによる農作物被害が増えている。市によると、イモや野菜の被害が多く、2023年度の被害額は2192万円。イノシシによるものが1666万円と半分以上を占め、タヌキやヒヨドリなどの被害もある。これらを減らす対策として、市が初めて協力隊として有害鳥獣ハンターを募集した。

 永吉さんは串良商業高を卒業した後、県外のリサイクルショップなどで働いてきた。狩猟の経験はないが、地元で働きたいとの思いや狩猟への憧れから応募したという。

 活動内容は有害鳥獣の捕獲、鳥獣被害の防止対策、ジビエ販売、サカキやシキミの生産。これから地元の猟友会のメンバーと交流を深め、狩猟免許も取得していく予定。

 1日に市長から辞令をもらった永吉さんは「地域のために役に立ちたい。3年後は自立して稼げるようになりたい」と話した。(仙崎信一)