最高裁が3日に違憲と判断した旧優生保護法をめぐる損害賠償請求訴訟。不妊手術を強いられた原告2人が2023年1月の一審で勝訴した後、国が控訴している熊本訴訟の関係者は「これで控訴審での勝利も確実になった」と喜んだ。

 最高裁大法廷で判決が言い渡されて1時間半後の午後4時半、熊本市中央区であった報告集会で、原告の70代女性は「弁護士の先生や支援者のみなさんのお陰でここまで来られた」と声を詰まらせた。

 もう1人の原告、渡辺数美さんは今年2月、79歳で亡くなった。遺族を訴訟の承継者とする手続きを弁護団が進めている。

 控訴審判決は3月13日に言い渡されることがいったん決まったが、福岡高裁が「最高裁の判決を見極めたい」と、判決期日が取り消されている。

 弁護団長の三角恒弁護士は「熊本地裁で『一矢報いた』と言っていた渡辺さんに、最高裁判決を見せたかった。訴訟に踏み切れなかった人たちが後に続くのを期待したい」と話した。(森北喜久馬)