自民党派閥の裏金事件に端を発した政治改革であるにもかかわらず、自民の本気度が見えないとして、野党が批判を強めている。企業・団体献金や調査研究広報滞在費(旧文通費)、使途を公開する義務のない政策活動費の見直しについて、自民が早々に先送りの方針を固めたためだ。

 「はじめから期待はしていないが、そこまで自民党はおちぶれたのか」

 立憲民主党の長妻昭政調会長は18日の記者会見で、厳しい口調で非難した。

 岸田文雄首相は議員本人への罰則強化▽外部監査の充実▽デジタル化による透明性の向上の3点だけに絞って与党協議を進める考えを表明している。自民は「全ての論点を扱うと、とても今国会では終わらない」として、政策活動費など「政治とカネ」に関わるその他の課題については、今国会での改革を見送る方針だ。

 泉健太代表は18日夕の党会合で、「これだけ裏金問題を起こして、処分もうやむやな中で、出てくる(改革)案も全くもって中身のないものになりつつある」と指摘。そのうえで「改めて自民党の政治改革には全く期待できないことを、国民に伝えていかなければならない」と呼びかけた。

 改革に及び腰の自民には、他の野党も反発する。日本維新の会の馬場伸幸代表はこの日の会見で「次の選挙で国民の鉄槌(てっつい)が下る」と批判。国民民主党の玉木雄一郎代表も「肝心の自民党に改革の姿勢がない。我々野党だけではなく、国民がなめられている」と指摘した。