岸田文雄首相の在職日数が23日で933日となり、橋本龍太郎元首相(1996〜98年)を超え、戦後35人の首相の中で歴代8位となった。直近上位の7位には岸信介元首相(1241日)がいるが、超えるには今年9月の自民党総裁の再選が必要条件となる。

 林芳正官房長官は22日の記者会見で、首相の在職日数について「先送りできない課題に取り組む毎日の積み重ねの結果と受け止めている」と説明。一方、宮沢喜一元首相(644日)らを超える節目ごとにコメントしてきた首相は今回、取材に応じていない。

 2021年10月に発足した岸田政権は今、窮地に立つ。自民党派閥の裏金事件を受け、内閣支持率は軒並み過去最低水準で推移。28日投開票の衆院のトリプル補欠選挙でも、与野党激突の島根1区で自民候補が野党側にリードを許す。ここで敗北を喫すれば、9月の総裁選での再選にも暗雲が漂う。目先の対応に追われるためか、首相周辺は「在職日数の長さに首相は全く関心がない」と語っている。(谷瞳児、宮脇稜平)