岸田文雄首相は4日午後(日本時間5日午前)、訪問先のブラジル・サンパウロで記者会見し、自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法改正について、帰国当日の6日にも党の政治刷新本部メンバーと面会すると明らかにした。自民案は抜本改革への踏み込み不足が指摘されており、首相は「さらに何をすべきか改革の方向性を確かなものにしたい」と述べ、今国会中の改正に改めて意欲を示した。

 焦点の一つが、国会議員に毎月100万円が支給される「調査研究広報滞在費(旧文通費)」の使途の公開だ。自民案では「検討項目」としているが、首相は「党に対し、支出可能経費の確定、支出の公開のあり方など、残る課題について各党、各会派間で議論を再開するよう既に指示を出している」と述べ、議論を急ぐ考えを示した。

 衆院解散・総選挙については「政治改革の実行や経済対策など先送りできない課題について、全力で取り組んでいく。これに専念していく」と強調。「それ以外のことは現在考えてはいない」と、これまでの発言を繰り返した。(サンパウロ=長崎潤一郎)