岸田文雄首相(自民党総裁)は17日の衆院決算行政監視委員会で、調査研究広報滞在費(旧文通費)の今国会中の法改正を明言しなかった。日本維新の会は首相の答弁に不満を募らせ、政治資金規正法改正案の参院採決では、反対すべきだとの意見が強まっている。

 維新は衆院採決では改正案に賛成しており、参院で反対すれば異例の対応となる。

 この日の委員会で、藤田文武幹事長は「首相は今国会(の成立)ということで、合意文書を交わしたのではないのか」とただした。5月31日に維新の馬場伸幸代表と首相が会談し、「使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講ずること」などで合意。維新は衆院で規正法改正案に賛成したが、文書に期日は記されていなかった。

 詰め寄る藤田氏に対し、首相は「党首間で文書をもって交わした。重く受け止めている。文書の中身については誠心誠意、取り組まなければならない」と繰り返し、具体的な期日は最後まで示さなかった。藤田氏は「先送りされれば約束は履行されなかったと思わざるを得ない。大げんかだ」と述べ、対決姿勢を強調した。(小林圭)