鹿児島県知事選の告示を20日に控え、日本青年会議所(JC)の鹿児島ブロック協議会が17日、鹿児島市の市勤労者交流センターで公開討論会を開いた。立候補を表明している現新3人が参加し、地域経済活性化や子育て支援などで論戦を交わした。

 現職で再選をめざす塩田康一氏(58)、新顔で前県議の米丸麻希子氏(49)、新顔で市民団体共同代表の樋之口里花氏(52)が参加。同協議会が会員らに意見を募ってまとめた「子育て支援」「地域経済活性化策」「観光・文化の魅力発信」などの4テーマを中心に、見解を尋ねた。

 子育て支援で3氏とも言及したのが、他県より取り組みが遅れている「子ども医療費の窓口負担軽減」の問題。塩田氏は「未就学児を対象に、課税世帯にも拡充する」としつつ「国が一律で施策を講じる必要がある」と主張した。米丸氏は、県の対応は不十分との認識から「もっと急げないか。財源はつくり出せる。『子どもファースト』で取り組む」とした。樋之口氏も「鹿児島は子どもの貧困率が高い」と指摘し「高校卒業まで窓口負担ゼロに」と強調した。

 経済振興をめぐっては、塩田氏が「地域の『稼ぐ力』の向上が基本的に重要」とし、米丸氏が「(農業や観光業の)競争力を高めるため、マーケティング・ブランド室をつくる」、樋之口氏は「活性化に対する最大の潜在的脅威は原発と軍事基地だ」と主張した。

 討論会の動画は、19日まで同協議会の公式ユーチューブチャンネルで視聴できる。(加治隼人)