鳥取市は、姉妹都市提携を結んでいる韓国・清州(チョンジュ)市との間で、コロナ禍で中断していた職員の研修派遣を今年度から再開した。2018年度以来6年ぶりで、職員1人ずつを7〜12月に相互派遣し、文化や観光、経済などの分野で互いの施策や職務を学んでもらう。

 清州市に派遣された鳥取市文化交流課の藤田佳緒里さん(39)は、希望した複数の職員の中から選ばれた。6月27日に鳥取市役所で深沢義彦市長らも参加して出発式が開かれ、藤田さんは「外国の文化に興味があり、派遣交流を希望した。日本と韓国の相違点を探すのが楽しみです」とあいさつ。「現地の市民との交流では鳥取市の文化や観光もPRしたい」と笑顔で語った。

 清州市から来日した金修姸(キンスヨン)さん(42)は7月2日に深沢市長と面会。「鳥取砂丘などの観光や広報、ふるさと納税について学びたい」と話し、8月に鳥取市中心部で開かれる鳥取しゃんしゃん祭では踊り子として傘踊りに参加予定という。

 両市は、1983〜90年に鳥取市長を務めた故・西尾優氏が、幼い頃を過ごした清州市から86年に名誉市民の称号を贈られた縁で、90年に姉妹都市提携を結んだ。職員を相互に派遣する交流は96年から始まり、日韓関係の悪化やコロナ禍での中断をはさんで続けられている。(富田祥広)