日本でも活躍の元ロシア代表が自国分析「ベンチが短い」

日本でも活躍の元ロシア代表が自国分析「ベンチが短い」

 かつてJリーグの横浜フリューゲルス(1999年に横浜マリノスと合併)でプレーした元ロシア代表MFイゴール・レディアコフさん(50)を覚えていますか。98年の1年でJ123試合15得点の成績を残しました。現在はロシア1部テレクを率いているレディアコフさんに電話取材で、ロシアサッカーの現状やワールドカップ(W杯)をロシアで開く意義を聞きました。

 ――現役の監督として、現在のロシア代表の強さをどう見ていますか。

 「ロシア語で『ベンチが短い』と言うけど、問題は選手層が薄い。代表で出られる資格がある資質の選手が少ないのが現実です」

 ――ソ連時代は88年欧州選手権で準優勝するなど世界でも有数の強豪でした。

 「ソ連が90年代に崩壊してロシアになると、サッカーの育成組織も分裂した。多くのコーチは外国に渡り、そこに定住した。そのため、その世代の選手たちが育たなかった。徐々に組織が元に戻り、素質のある指導者が現れ、ようやくある程度の素材の選手が育つようになった」

 ――日本も2002年にW杯を韓国と共催したことで、サッカーへの認知度が変わりました。ロシアでW杯を開く意義は何でしょうか。

 「スタジアムを始めとしたインフラの側面から見れば意義が大きい。W杯が終わったら、ロシアの選手たちのためにこうした施設がレガシー(遺産)として残るし、サッカーの発展を促すと思う。サッカーの普及にとってプラスになる」

 ――残念ながら国民がロシア代表に大きな期待をしているわけではなさそうです。

 「親善試合でも長い間、勝てなくて、ファンは不安を持ってW杯を迎えるだろう。主力のDFがけがをして、ロシアはベストメンバーでは出られない。ただ、ホームでファンの支えがある。ロシアは自分たちの力を最大限に発揮しなければならない」

 ――レディアコフさんを始め、スペインにはモストボイやカルピンが渡り、多くのロシア選手が国外に出ていた印象があります。

 「今の選手のレベルが国外で活躍するレベルに届いていない。一方、国内でもいい給料をもらえるので国外に行って稼ごうという意識もない。当時は貧しくて国外で稼ぐしかなかった」 「W杯が開催されたことがきっかけになって、日本人選手も海外から誘いが来るようになった。今大会の結果次第で、ロシア代表の選手たちも同じように国外に行くチャンスを得てほしい」

 ――ワールドカップで楽しみなことはなんですか。

 「私はファンとして、ロシアがW杯でいい結果を出すことを期待している。ロシアの最良の選手が出るのだから、彼らが国のために戦ってくれると思う。ファンとして応援している」(聞き手・河野正樹)

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