第76回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は20日、前橋市の上毛新聞敷島球場で、準々決勝のうち2試合があった。初戦で前橋商(群馬2位)を下して45年ぶりの8強に勝ち上がった白鷗大足利(栃木1位)は、東海大相模(神奈川2位)に5―0で快勝し、9回目の出場で初のベスト4進出を果たした。大会は21日に準々決勝の残り2試合があり、準決勝は25日の予定。白鷗大足利は、帝京(東京1位)と花咲徳栄(埼玉1位)の勝者と顔を合わせる。(津布楽洋一)

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 春夏合わせて5度の甲子園制覇を誇る東海大相模に、自慢の投手陣と集中打で5―0で快勝した白鷗大足利。直井秀太監督は「ここまで勝ち上がれると思っていなかった」と謙遜したが、「選手たちが大会を通して成長してくれていることを感じる」と手応えを得ていた。

 この試合のキーパーソンは「二けた背番号の選手たち」だった。

 先発投手は、初戦で好投したエース昆野太晴(3年)とともに春季県大会優勝の原動力となった10番の山口幸大(3年)。初戦で8本の長打を放った東海大相模相手に、「最初は怖かったが、怖がっていたら勝負にならない。抑えてやるという気持ちで投げた」。

 昨年から球速を増した直球で強力打線を抑えた。「昆野と二枚看板で相手に威圧感を与えられるようになりたい」

 七回に勝負を決定づける適時三塁打を放ったのは、試合途中から代走で出た13番の小林翼(3年)だ。「自分はだいたい途中から守備や走塁で出るが、今日はチャンスが回ってきたので、思い切りいった」と積極的に初球を狙ったという。

 このほかにも、15番の古内拓翔(2年)が三塁の守りなどで活躍。19番の柏崎陽斗(2年)も最終回のマウンドを締めくくった。古内は「まだ力不足だが、夏に向けて甲子園で一けたがつけられるように頑張りたい」と意欲を見せた。

 主将の篠原飛羽(3年)も「後からいく選手が良いプレーをするとチームが勢いづく」と歓迎する。選手層の厚さと競争が、白鷗大足利の快進撃につながっている。(津布楽洋一)