パリ五輪男子マラソン代表の赤崎暁(あきら)(26)=九電工=が21日、福岡市内で取材に応じ、8月10日の本番に向けて「自分が練習してきた成果を100%出し切れるようにしっかり頑張りたい」と抱負を話した。

 赤崎は昨年10月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で、優勝した小山直城(なおき)(ホンダ)に次ぐ2位に入って代表に決まった。「MGCから7カ月経つのは早かったが、ここまでしっかり準備はできている」

 昨年11月にはパリ五輪のコースを試走。「思った以上にアップダウンのあるコースで、今までの練習ではだめだと思った」。距離を踏む練習でも、スピード練習でも坂を使ったコースで行うなど対策を重ねてきた。今年2月の青梅マラソン(30キロ)では、高低差のあるコースで1時間29分46秒の自己ベストで優勝を果たした。パリの難コース攻略に向けてひとつの自信になった。

 その後はスピード強化に取り組んできた。春のトラックシーズンでは5月の日本選手権1万メートル(静岡)で27分43秒84の自己ベストを出すなど、こちらでも一定の成果が出ている。

 今後は国内の高地で合宿を組んで調整を続ける。「経験したことのないコースなのでレース展開は想像できない。ただ、上りの適性はありそうなので、力を使わない効率のいい下りの走り方も今後、身につけていきたい」と課題も明確だ。

 熊本県出身で、同県からのマラソン代表は1924年パリ五輪に出場した金栗四三(かなくりしそう)以来。「日本マラソンの父」と呼ばれた偉大な先輩から1世紀の時を経ての五輪出場に「すごく光栄なこと。熊本からも思った以上の声援をいただいているので結果で恩返ししたい」と話していた。(堀川貴弘)