パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放をめぐる交渉が本格的に始まった。イスラム組織ハマスは交渉成立の条件に「完全な戦闘の終結」を据えるが、イスラエルのネタニヤフ首相は「受け入れられない」との考えを改めて示し、合意までには難航が予想される。

 ハマスの代表団は4日に交渉仲介国の一つであるエジプトの首都カイロに入った。米国からはバーンズ中央情報局(CIA)長官も入っている。

 ハマスの最高指導者ハニヤ氏は5日の声明で、「イスラエル軍の侵略を終わらせ、イスラエル軍のガザからの撤退を保証する包括的な合意に達することを望む」とした。ハマスは5日午後、代表団が指導部との協議のためにいったんカイロを離れると発表した。

 カタールの衛星放送局アルジャジーラは4日、ハマスのハムダン政治局員のインタビューを報じた。ハムダン氏は、交渉が前進しているとしつつ、「今も完全な停戦と、イスラエル軍のガザからの完全撤退の問題を話し合っている」と述べた。