ロシアの全面侵攻を受けるウクライナが、今夏のパリ五輪に出場する。ウクライナのオリンピック委員会と青年スポーツ省が20日に発表した。「ウクライナが存在し、戦っており、勝利する能力があることを世界に思い起こさせる」と強調する。

 五輪には、ロシアや同盟国ベラルーシの一部の選手が、国を代表しない「中立」の立場で参加する。ウクライナはそれに反発し、これまでボイコットする可能性を示唆してきた。

 発表では、2022年2月の全面侵攻開始以来、ウクライナではロシア軍の攻撃によってアスリート450人以上が死亡したとしている。また、五輪のトレーニング施設15を含む500以上のスポーツ施設が被害を受けたという。

 選手団のスローガンは「勝利への意志」。パリ五輪には、20日時点で約100人の選手が参加資格を得ているという。発表で、「ウクライナの五輪への参加は、私たちの精神や意志、未来への信念が勝利することを意味する」と訴えている。(ロンドン=藤原学思)