イスラエル軍は16日、パレスチナ自治区ガザへの人道支援物資の流入を増やすため、ガザ南部の一部地域で毎日、時間を区切って軍事行動を停止すると発表した。軍が5月上旬にガザ最南部ラファへの地上作戦を開始して以降、支援物資の流入量が減り、人道危機の一層の深刻化が指摘されていた。

 軍の発表によると、ガザ南部とイスラエルとの境界にあるケレムシャローム検問所から北へ向かうサラアルディン道路付近の約10キロの区間で、毎日午前8時(日本時間午後2時)〜午後7時(同翌午前1時)、「人道目的で軍事行動の戦術的な停止」を行うという。対象地域は、エジプトからガザへ支援物資を運ぶ経路になっている。軍は国連などと協議して決定したといい、期間は「追って通知するまで」としている。

 イスラエルは5月上旬、ラファでの地上作戦の開始に伴い、ガザへの支援物資の最大の入り口だったラファ検問所を閉鎖。南部の別の搬入口であるケレムシャローム検問所からの運び入れも、安全上の理由などから滞っていた。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、5月に国連が受け入れた支援物資は1日平均でトラック97台分で、4月の1日平均169台分から減少した。