イスラエルのネタニヤフ首相は16日の安全保障関連の閣議で、パレスチナ自治区ガザでの戦闘方針を決める少人数の「戦時内閣」を解散すると伝えた。複数のイスラエルメディアが17日報じた。国際社会が停戦圧力を強めるなか、ネタニヤフ氏の戦闘継続路線に歯止めがかからなくなることを懸念する声もある。

 戦時内閣は昨年10月、イスラム組織ハマスによる越境攻撃を受けた挙国一致内閣として発足。ネタニヤフ氏、ガラント国防相、中道右派野党のガンツ前国防相らで少人数で議論し、対ハマスの重要方針を決める場として機能してきた。

 だが、穏健派といわれ米国との関係が深いガンツ氏とネタニヤフ氏の間で対立がたびたび報じられ、ガザでの戦闘終結後の統治計画を示さないネタニヤフ氏に不満を抱いたガンツ氏が今月9日に離脱を表明。一方、極右政党の党首で強硬派のベングビール国家安全保障相が戦時内閣への参加要求を強めていた。

 ベングビール氏が加われば、戦時内閣の判断が極端な強硬路線に振れる可能性もあった。これを避けるため、ネタニヤフ氏が解散に踏み切ったとの見方もある。