鹿児島県警本部で19日、県内の警察署長らを集めた会議が開かれた。相次ぐ県警の不祥事について、野川明輝本部長は県民の信頼回復に向けた取り組みを「組織一丸となって推進してもらいたい」などと訓示した。

 県警を巡っては、18日に不同意わいせつの疑いで警備部公安課課長補佐の警部(51)を逮捕。今月8日には捜査情報を外部に漏らしたとして、曽於署の巡査長(49)が地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで逮捕されるなど、現職警察官の不祥事が続いている。

 この日の会議には、塩田康一知事や県公安委員会の増田吉彦委員長、鹿児島地検の茂木善樹検事正も出席。県内の各警察署長や幹部職員約80人を前に、増田委員長が「情報漏洩(ろうえい)事件の全容解明に努めているなか、昨日、警察官が不同意わいせつの疑いで逮捕され、残念でならない。懲戒処分者の増加にともない県民から厳しい視線が向けられている」などと指摘。また、野川本部長は公安委員会に示された「県民に寄り添い、治安課題に取り組む」などとする「県警の運営指針」に沿って、被害届の受理などの業務に取り組むことを指示。情報漏洩(ろうえい)事件などについて、「許されないことは警察職員でなくてもわかる。これくらいならいい、見つかるわけがないと考えてはならない」などと述べた。(冨田悦央)