特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、高知署は25日、ゆうちょ銀行高知店の田村勇樹さん(36)ら2人に署長感謝状を贈った。

 今月3日、窓口にいた田村さんに、県内在住の中東出身の60代の男性が「ここに送金したい」とスマートフォンの画面を差し出した。店内にある翻訳機でアラビア語を訳すと、「25万ドル当選、サウジアラビアの王女より」。当選金を受け取る手数料として350ドルの振込先が記されていた。

 田村さんは「詐欺だ」と直感し、男性とその妻を隣にある高知署に行くよう誘導。男性は当初はメッセージを信じ切っていたが、同署員の説得を受けて被害を免れた。

 田村さんは「お客さんのお金を守る、という金融機関の大事な役目を果たせた。翻訳機があって助かった」と話した。同署の担当者は「今後は外国人の被害者も増えそうなので、対策を考えていきたい」と述べた。(原篤司)