世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とその関連団体に下関市の公共施設を使わせないよう求める要望書を市民団体が9日、市と市議会に提出した。

 福岡市の市民団体「統一教会から福岡を守る会」(山下大輔代表)などが提出した。要望書などによると、教団は下関市生涯学習プラザ大ホールで4月6日、教団創設者の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏が初めて日本に来た際に下関から入国したことを受けた「日臨節83周年記念大会」を開催した。守る会が入手した動画などでは、教団本部から田中富広会長が出席してあいさつし、文鮮明氏の写真も掲示されていたという。

 市によると、2月上旬に教団の下関家庭教会から施設利用の相談があった。指定管理者と市教育委員会が協議し、地方自治法に基づいて利用申請を「不許可にできない」と判断したという。

 山下代表は要望後、「国が宗教法人法に基づく解散命令請求を行ったなか、教団の利用を認めたのは慎重さを欠いた判断だ」と批判した。対応した市生涯学習課は「要望書を受け取ったので今後の対応を検討する」と述べるにとどめた。(白石昌幸)