6月子どもの不調どう対処? スクールカウンセラー矢代さんに聞く
朝日新聞(地域)6/20(金)11:00

福井県内の小中学校でスクールカウンセラーを務める公認心理師の矢代恵利さん=2025年6月12日午前11時43分、福井市若杉2丁目、本間沙織撮影
やる気が出ない。食欲がない。お子さんたちにそんな様子が見られませんか?
6月は、新生活が落ち着き、蓄積した疲労で心の調子を崩しやすい時期です。精神的な負担を長引かせないためにできることは。福井県内の小中学校でスクールカウンセラーをする公認心理師の矢代恵利さん(50)に聞きました。
――この時期、不登校の児童・生徒も出始め、相談も増えてくるそうですね。
4月からの新しい環境に慣れようと頑張って、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまうことがあります。その結果、適応能力の限界を超えて心に負担を感じる。
入学など大きな目標を達成し、次の目標を見失ってしまうことや、新生活が想像と違うことに失望することもあります。
――他にはどんな要因がありますか。
天気と祝日の影響があります。梅雨のじめじめした天気や寒暖差が自律神経に負担をかけ、心の不調を引き起こすこともあります。
また、6月は祝日がありません。5月の大型連休後に息抜きするタイミングがないまま、走り続けることになります。
――どういった心構えでいるといいですか。
「今はこういう時期」と理解し、子どもを責めずに「低空飛行でいい」と認めてあげることが大事です。少し甘やかすことも必要です。
――具体的に教えてください。
毎日ちょっとしたごほうびをあげるといいと思います。キャラクターのかまぼこを冷蔵庫に入れておいたり、子どもたちのリクエストメニューを作ったりする。いつもはすすんであげていないものも、「一日一つ」など一緒に決めたらいいと思います。子どもも、親が自分の不調を理解して動いてくれているんだと感じ、気持ちが楽になります。
好きなアーティストの曲を聴いたり、近くの公園に行ったりするなど、子どもが気持ちを切り替えられるものを見つけるのもいいと思います。
好きな場所に行くのもいい。私は、スクールカウンセラーをしている学校に行く途中で、川のせせらぎと山の緑を独り占めできる場所に立ち寄ることで充電しています。自分にとって落ち着ける、居心地のいい空間があるといいです。
――生活面で気をつけることはありますか。
基本に立ち返って生活リズムを整えることも大事です。朝起きたくないから遅く起きる、食欲がないから食べないなどを続けると、自律神経が乱れます。
――周りにいる人ができることはありますか。
「いつもと様子が違う」と感じたら、見逃さないで、「疲れるよね」と話しかける。「何かあったときはいつもあなたの味方だよ」と伝え、子どもが話しやすい環境を作ることが重要です。
人からの優しい言葉が「水」になり、自分の気付きや努力は「栄養」になる。このことを頭の片隅に置いて、並走してあげて欲しいです。(本間沙織)











