「ぞう列車」が走った戦後、歌で知って 7月に名張で合唱コンサート
朝日新聞(地域)6/20(金)10:00

列車に乗ってやってきた子どもたちとアジアゾウのマカニーとエルド=1949年、名古屋市東山動植物園提供
第2次大戦中、動物園の動物が殺処分された中、生き延びた名古屋の象を見ようと戦後、子どもたちが特別な列車で駆けつけた――。そんな実話をもとにした合唱曲のコンサート「ぞうれっしゃがやってきた」が7月5日、三重県名張市松崎町のadsホールで開かれる。忘れず、知ってほしいと、同市を拠点とする「混声合唱団コーロ・Gui(ギ)」などが披露する。
全国の動物園では戦時中、空襲で逃げ出す可能性があるとして猛獣の殺処分が命じられたが、名古屋・東山動物園(当時)では園長らが守り、アジアゾウの2頭「マカニー」「エルド」が生き延びた。東京の子どもたちが貸してほしいと陳情したこともあり、国鉄が子どもたちを運ぶ「ぞう列車」を運行。1949年6月から、関東や関西、中部などから運行され、延べ1万人以上が乗ったという。
披露される合唱曲「ぞうれっしゃがやってきた」は、その実話に基づいた絵本を元に作られ、11章(曲)で計約45分。20〜90代の約20人でつくるコーロ・Guiのほか、神戸市や津市、伊賀市の子どもや大人の合唱団5団体が加わり、総勢約90人で歌う。
コーロ・Guiが披露するのは戦後70年の2015と16年以来。団長の橋口牧子さん(64)は「団員のほとんどは戦後生まれだが、思い入れのある曲でそらで歌えるぐらい覚えている。戦後80年に知って欲しい」と話す。園長や軍人など様々な登場人物のセリフもあり、実話を理解しやすいという。実際にぞう列車に乗って2頭を見に行った団員の知人も合唱に参加する。
コンサートでは、昨年11月に92歳で亡くなった詩人、谷川俊太郎さんの作詞、武満徹さん作曲の反戦歌「死んだ男の残したものは」や、沖縄戦の歴史をテーマにした「さとうきび畑」なども歌う。
午後2時開演。大人1千円、高校生以下500円。問い合わせはadsホール(0595・64・3478)か橋口さん(090・1474・6540)。(小西孝司)











