インバウンドは素通り 静岡・三島駅がめざす「脱・経由地」
朝日新聞(地域)6/20(金)10:00

外国人観光客の誘客を議論した検討会=2025年6月13日午後1時31分、静岡県三島市一番町、南島信也撮影
押し寄せるインバウンド(外国人観光客)の大波に乗り遅れ、静岡県内の宿泊者数はいまだに新型コロナ禍以前の水準まで回復していない。県は三島駅に着目し、外国人にとっては経由地で素通りされている現状を変えようと、県内滞在を促進する取り組みを始めた。
13日に三島市で開かれた「三島駅インバウンド誘客検討会」の初会合。この日、県が示した分析データは衝撃的だった。
県内における2024年の訪日外国人ののべ宿泊者数は193万170人で、コロナ禍前の19年比で77・4%にとどまった。国内全体では141・5%で、県内の回復の鈍化は顕著だ。
また、23年度に三島市を通過した外国人観光客は58万4005人だったのに対し、来訪者数は16万6861人と少なく、うち宿泊者は1万7623人だった。
大学生による外国人観光客へのヒアリング調査の結果も示され、ほとんどが三島駅を河口湖行きのバスに乗るための経由地としか認識していなかった。滞在時間はおおむね10〜20分程度で、バスのチケットを購入するだけだったという。
検討会のメンバーは三島駅付近を視察し、バス会社やホテルの関係者からヒアリングした。外国人観光客の多くが三島駅から出てくると、すぐにバスで県外の観光地に向かうという。
三島駅は新幹線も停車し、東京、京都、箱根、河口湖など、外国人観光客に人気の高い観光地と直結する「ゴールデンルート」に位置しているが、メリットを十分に生かせていないといえそうだ。
経由地をいかにして目的地に変えるか。認知度アップのための情報発信が鍵となる。
今後は検討会を4回程度開き、県と観光協会などが、県外の観光地を目的地としている外国人観光客をいかにして伊豆や富士山エリアにいざなうか、課題や手段などを探る。三島駅をハブ(拠点)にした誘客策について年内に方向性を示す考えだ。
検討会の委員長で、県東部地域局の笹野努伊豆観光局長は「バスや新幹線が集まる三島駅のアクセスのよさが、なぜ滞在に結びつかないのか、何が必要なのかをしっかり考えたい」と話す。(南島信也)











