ヤリタナゴ、小浜市の水系で45年ぶり確認 すみか守ろう
朝日新聞(地域)6/20(金)11:00

婚姻色の出たヤリタナゴの雄=福井県若狭町、中野光さん提供
■(いきものがたり)ヤリタナゴ 福井市自然史博物館学芸員・出口翔大
気温が上がり、川などで遊びやすい季節になりました。水辺には様々な生き物がいますが、このほど福井県小浜市の北川水系でヤリタナゴという淡水魚が見つかりました。同水系で本種が確認されたのは45年ぶりです。
ヤリタナゴはコイ科タナゴ亜科に分類される魚です。タナゴ類はフナやタイのような平たい姿で、繁殖期の雄は種ごとに特有の美しい婚姻色が出ることで知られています。釣りの対象にもなっており、愛好家の多い淡水魚です。また、雌は産卵の際に長い管を伸ばし、二枚貝の中に卵を産むという、面白い生態も持ち合わせています。
ヤリタナゴは北陸3県などに自然分布します。タナゴ類の中では比較的広く見られる種類ですが、減少傾向にあり、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種です。
タナゴ類の多くが産卵場所となる二枚貝の減少などで絶滅が危惧されているほか、愛好家による他河川への移入も問題(淡水魚は水系ごとに隔離されやすく固有の遺伝子や種を育んでいるため)となっています。今後もタナゴ類をはじめとして北陸の淡水魚の生息環境の保全や、移入対策が望まれます。
福井市自然史博物館では、約半世紀前に北川水系で採集されたヤリタナゴの標本を6月30日まで展示しています。ぜひお越しください。(福井市自然史博物館学芸員・出口翔大)











