花角知事「信を問うた後で国へ回答」 県議会で代表質問

朝日新聞(地域)6/20(金)10:45

花角知事「信を問うた後で国へ回答」 県議会で代表質問

代表質問が行われた新潟県議会の議場=2025年6月19日、新潟市中央区、井上充昌撮影

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働をめぐり、花角英世知事は、国からの理解要請に対する回答の時期について、「県民の意思を確認」した後になることを明らかにした。花角知事はこれまで、再稼働への賛否の判断を示した上で選挙などで「信を問う」と説明してきたが、どの段階で回答するかははっきりしていなかった。

 19日の県議会で、野党系会派「未来にいがた」の樋口秀敏県議の代表質問に答えた。政府は昨年3月、柏崎刈羽原発の再稼働に向けて県と立地自治体である柏崎市、刈羽村に理解を要請。柏崎市長と刈羽村長はすでに同意する考えを示しており、仮に花角知事が理解要請に同意すると回答した場合、再稼働することになる。このため、「信を問う」前に稼働する可能性もあるとの観測が一部で出ていた。

 樋口県議は代表質問で、沖縄県の辺野古基地建設を当時の知事が承認した後、知事選や県民投票で反対の民意が示されても工事が止まらないことを引き合いに出し「県民の意思を反映させるには、国に対して再稼働への理解要請に回答する前に行われるべきだ」と問いかけた。

 花角知事はこれに対し「県民の意思を確認した後、国からの理解要請へ回答することになる」と述べた。意思を確認する方法については明確にしなかったが、選挙などで「信を問う」ことも例示した。

 一方、再稼働の是非を判断する時期について問われると「現在、県民の多様な意見の把握に努めているところ。結論を申し上げる段階にない」とした。

 続く無所属系会派「リベラル新潟」の小泉勝県議も、信を問うタイミングと国への回答との順番を尋ね、花角知事は同様に答弁した。

 花角知事は代表質問終了後、取材に「(順序について)聞かれていなかっただけでは。ごく普通だと思う」と話した。

 花角知事はこれまで、再稼働について判断する前に、柏崎刈羽原発の安全確認などの「議論の材料」を集めた上で「県民の受け止めを見極める」としてきた。

 この「議論の材料」が今年5月にそろってから初めての議会論戦となり、各県議の質問には熱がこもった。代表質問は自民党の笠原義宗県議を含めた主要3会派の3人が立ち、質問計86のうち37が原発関係で最多だった(再質問除く)。

 笠原県議は、議論の材料の一つである、県が5月に示した事故時の被曝(ひばく)線量シミュレーションを取り上げた。シミュレーションでは、原発の重大事故対策が奏功した場合でも、半径5キロ圏内(PAZ)では国際原子力機関(IAEA)の基準を超えて被曝する可能性が指摘された。

 笠原県議は、事故発生から24時間後に放射性物質が放出されたケースが最も影響が大きいことに言及。5キロ圏では放射性物質の放出前に避難する計画だが、「PAZには1万8千人を超える住民がいる。24時間後までに計画通りの全員の避難が可能なのか」と質問した。

 これに対し、花角知事は、今月11日の柏崎刈羽地域原子力防災協議会で広域避難計画「緊急時対応」案が具体的かつ合理的と確認されたことを挙げて「避難は可能と考えている」と答弁。ただ「避難が確実に実施できるよう対応力を向上させることが重要だ」とも述べ、訓練などに力を入れる方針を示した。

 県によると、実際には事故発生から放射性物質放出までにもっと時間を稼げる可能性があるという。(井上充昌)

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