首長・議員目立つ無投票、人口減や低い報酬原因か 長野県

朝日新聞(地域)6/20(金)10:45

首長・議員目立つ無投票、人口減や低い報酬原因か 長野県

4月にあった長野県白馬村議選は候補者が定数に1人足りず、無投票になった。急きょ立候補を決め、ポスターを用意しない候補者がいた=2025年4月15日、長野県白馬村、小山裕一撮影

 長野県内の市町村長選で、選挙戦を経ずに無投票で首長が決まるケースが相次いでいる。今の任期の市町村長を選ぶ選挙で無投票だったのは4割に上る。町村長選で無投票当選の割合が多い。議員選でも町村議を中心に無投票で決まる場合が目立っている。

 朝日新聞社がこの4年間の市町村長選と市町村議選の結果を集計した。

 77市町村長のうち、現在の任期で無投票当選したのは33人の市町村長。市長は19人のうち無投票だったのは、2023年の統一地方選で選挙があった諏訪市と茅野市のほか、24年の東御市の3人。町村長は58人のうち過半数の30人が無投票だった。最近では、24年は20の首長選のうち7が、今年は12の首長選のうち10が無投票だった。なり手不足が背景にある。

 24年7月の下條村長選では、当時77歳の現職村長が一度は引退を宣言した。しかし、後継が見つからず、「村が混乱しないためにも、不本意ではあるが」として引退を撤回。無投票で3選を果たした。今年になってからも、現職が引退した山形村長選(2月)と上松町長選(3月)で新顔が無投票で当選した。

 議会でも無投票当選が相次ぐ。最新の任期について、補欠選挙や再選挙を除いた一般選挙で分析すると、無投票だったのは77議会のうち3分の1にあたる26議会。市議会では、岡谷市と飯田市が無投票で、残りの24は町村議会だった。今年にこれまであった13の議会選挙で、六つが無投票で当選者が決まった。

 23年の統一地方選で、県内では候補者数が定数に満たない議会選挙が相次ぎ、岡谷市など5議会でそれぞれ欠員1になった。その後も、今年4月の白馬村議選でも定数12に対して立候補したのは1人少ない11人で、全員の無投票当選が決まった。事前にあった立候補予定者説明会では7陣営しか参加せず、公職選挙法に基づき、欠員分についてすぐに再選挙をする可能性がささやかれていた。

 町村を中心に首長選や議員選の無投票が相次いでいることについて、県町村会も「人口減や報酬の低水準で、なり手不足が深刻になっている、という危機意識はある」という。特に議会では夜間に開催したり、女性が立候補しやすくしたりする取り組みが各地であるものの、実を結んでいないという。

 県町村会の佐藤良和・事務局次長は「町村長の無投票当選は、当選後も住民や議会とコミュニケーションを取り、行政運営に特に不満が出ていないという面もある。『候補者がいなければ無投票でもしょうがない』と、住民が考えているからではないか」と話している。(小山裕一)

     ◇

●首長選が無投票だった市町村

【2021年】

飯綱町▽辰野町▽木曽町

【2022年】

高森町▽喬木村▽王滝村▽小川村▽泰阜村▽箕輪町▽信濃町

【2023年】

〈統一地方選〉

諏訪市▽茅野市▽松川町▽根羽村▽豊丘村

〈統一地方選以外〉

生坂村

【2024年】

東御市▽南木曽町▽下條村▽大桑村▽天龍村▽高山村▽下諏訪町

【2025年】

大鹿村▽宮田村▽平谷村▽山形村▽上松町▽佐久穂町▽南箕輪村▽青木村▽北相木村▽中川村

●議員選が無投票だった市町村

【2021年】

高森町▽麻績村▽王滝村▽飯綱町

【2022年】

山形村▽平谷村▽中川村

【2023年】

〈統一地方選〉

岡谷市(欠員1)▽南牧村(欠員1)▽南相木村▽下諏訪町▽下條村(欠員1)▽泰阜村▽豊丘村▽大鹿村▽大桑村(欠員1)▽朝日村▽木島平村(欠員1)

〈統一地方選以外〉

小川村

【2024年】

売木村

【2025年】

飯島町▽信濃町▽飯田市▽天龍村▽白馬村(欠員1)▽栄村(小山裕一)

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