カラスの群れ、カラスの鳴き声で撃退なるか ふん害に悩む市が実験

朝日新聞(地域)6/20(金)12:28

カラスの群れ、カラスの鳴き声で撃退なるか ふん害に悩む市が実験

電線に集まるカラスの群れ=2025年1月、男鹿市提供

 悩ましいカラスのふん害対策として、カラスの鳴き声を利用して追い払う実証実験を秋田県仙北市が始めた。同じ方法を半年間実施した男鹿市は、一定の効果が得られたとして今年度も継続している。カラスとの知恵比べに挑戦中だ。

 仙北、男鹿の両市が利用するのは、宇都宮大学発のベンチャーで、カラス被害対策に取り組む会社「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)が開発したサービス「だまくらカラス」。

 同社によると、カラスが仲間に危険を知らせる際に発する鳴き声を再生して追い払う仕組み。実際にカラスの鳴き声を収録し、ノイズを消すなど加工した音声ファイルを作成。スピーカー付きの再生装置を自治体などに貸し出し、効果が得られるように設置場所や鳴き声を流す時間帯などを助言している。

 仙北市の角館庁舎周辺には、春になると近くの山をねぐらにするカラスが集まり、駐車場の車などに被害を及ぼす。市は10日から2カ月間の予定で庁舎付近に2台の再生装置を設置。日暮れ前から午後8時までをめどに10分おきに「鳴き声」を流す実験を始めた。効果があれば延長する。

 JR男鹿駅前の商店街では、秋から冬にかけ、近所の人たちがデッキブラシを持って道路に落ちた鳥ふん掃除に追われる。男鹿市生活環境課によると、朝と夕に500羽ほどカラスが集まる。ときには2千羽に増える。一部のカラスは商店街をねぐらにしているという。

 市は昨年5月、ふん害に悩む駅前の町内会などと対策会議を立ち上げ、「だまくらカラス」の利用を決めた。

 昨年10月から半年間、商店街の3カ所に再生装置を置き、夕方から翌朝にかけ、15分〜20分おきに「鳴き声」を流し続けた。カラスの種類に応じて複数の音声パターンがあり、3〜4回替えた。

 3カ所のうち1カ所はほぼ撃退できたが、のこり2カ所は途中から効果が薄れたり、最初から効果がなかったりした。担当する市生活環境課の千葉聡主幹によると、再生装置の音量やカラスとの距離に関係があるらしい。「自分たちの鳴き声と同じ大きさの音量でないと違和感を持つようだ」

 市は、鳴き声による追い払い作戦を1年間延長。新たにイノシシやクマなど害獣をレーザー光線を使って撃退する装置を購入する。「鳴き声と光の両方を利用した対策でカラスを減らしたい」と千葉さんは話している。(上林格)

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