「核のごみ」最終処分場選定に向けた文献調査を求める請願が出ていた佐賀県玄海町議会は26日、本会議を開き、賛成6人、反対3人の賛成多数で請願を採択した。脇山伸太郎町長は議会後、「民意を反映していると思うので重く受け止める。6対3ということで賛成派がダブルスコアというところは少し感じている」と述べた。自身の決断について、前日は「連休明け」としていたが、この日は「5月中」と語った。

 この日の本会議では、請願を採択した特別委員会の委員長報告の後、賛否両派の議員が討論した。

 前川和民議員は反対の立場から、17、25日に開かれた特別委での審査は休憩時間も含めて計約6時間半ということもあり、「審議は尽くされていない」と批判した。「脇山町長は、議会で何度も文献調査を受け入れる考えはないと答弁してきた。議会の数で町長に手を挙げさせるものだ」とも述べ、「町長は住民アンケートや住民投票を行って判断すべきだ」と訴えた。

 松本栄一議員は賛成の立場から「材料がなくては議論はできない」とし、その材料としての文献調査を主張し「最終処分場を誰も作ると言っていない。論点が間違っている」と主張した。同じく小山善照議員は「座して待つのか、能動的に動いて議論を進めていくのかだ」と述べた。

 脇山町長は「連休明け」としていた判断時期を遅らせた理由について、「熟考しなければならない。決断ももう少し遅くなる可能性もある」と説明した。(添田樹紀、岡田将平、渕沢貴子)