【2022年1月25日 高橋進さん】

いっかくじゅう座Uは周期およそ92日で5等から8等ほどを変光する、おうし座RV型変光星です。図は2020年10月から2021年5月までのいっかくじゅう座Uの光度曲線で、11月初旬と2月中旬に大きな減光が見られますが、さらによく見ると12月末ごろと4月初めごろにも小さな減光をしているのがわかります。この大きな減光を主極小、小さな減光を副極小と呼びます。

いっかくじゅう座Uの光度
2020年10月から2021年5月までの、いっかくじゅう座Uの光度(VSOLJメーリングリストのデータから高橋さん作成)

おうし座RV型変光星は、恒星が膨らんだり縮んだりすることによって明るさが変わる脈動変光星の一種です。脈動変光星は恒星が小さくなると内部の密度が高くなり、温度が上がって明るくなる→温度が上がると恒星は膨張に転じ、それにつれて内部の密度が低くなるので温度が下がり暗くなる→温度が下がると恒星が収縮して密度が高くなり…、ということを繰り返して明るさが変わります。

おうし座RV型変光星の場合、基本モードの脈動と、基本モードの半分の周期の第1陪振動モードという2つの脈動モードがあります。これらが重なることによって、主極小と副極小を繰り返すという特有の光度曲線が見られるのです。

おうし座RV型変光星のメカニズム
基本モードと第1陪振動モードの共振と、おうし座RV型変光星の光度曲線(提供:高橋さん)

最近のいっかくじゅう座Uは昨年11月16日ごろにおよそ7.2等の主極小が観測されました。これに続く副極小が今年1月初旬、主極小は2月15日ごろと予想されます。この2月の主極小の際には、1日に0.1等くらいのスピードで急激に暗くなっていき、7等くらいまで減光します。毎日観測していても、どんどん暗くなっていく様子がよくわかるでしょう。その後に約7等から5.5等くらいへと明るくなっていくところも見どころです。このような急激な明るさの変化から、いっかくじゅう座Uはたいへん人気がある変光星の一つなのです。

いっかくじゅう座Uの光度
2021年10月から2022年1月までの、いっかくじゅう座Uの光度と、3月ごろまでの予想(VSOLJメーリングリストのデータから高橋さん作成)

いっかくじゅう座は暗い星ばかりの星座で見つけにくいように思われるかもしれませんが、冬の大三角の中にあるので位置の見当をつけるのは難しくありません。おおいぬ座のシリウスとこいぬ座のプロキオンを目当てに探せば、いっかくじゅう座Uも比較的容易に見つけられるでしょう。星図を頼りに、双眼鏡で探してみてください。

いっかくじゅう座U周辺の星図
いっかくじゅう座U周辺の星図。大きい円は小円部分の拡大。数字は恒星の等級(60=6.0等)を表す(「ステラナビゲータ」で星図作成)

なお、いっかくじゅう座Uはおうし座RV型の中でもRVbと呼ばれる周期的な減光が見られます。これは約6年ごとに光度曲線が1等級ほど暗くなる現象で、2017年から2018年にかけても見られました。次回は2024年ごろに見られると思われます。連星系と思われるいっかくじゅう座Uの周りをダストの円盤が取り巻いていて、これが周期的に連星系を隠すことによって起こると考えられています。