データで見るF1シンガポールGP:ギヤチェンジは1周62回、体重が3kg減る過酷なレース

データで見るF1シンガポールGP:ギヤチェンジは1周62回、体重が3kg減る過酷なレース

 シンガポールGPは、F1でも他に類を見ない特徴を持つグランプリレースだ。そのために、2008年にF1カレンダーに加わって以降、このレースならではの記録やエピソードが生まれている。そのいくつかをメルセデスF1チームがまとめて紹介している。

●これまでにシンガポールGPでワン・ツー・フィニッシュを決めたチームは出ていない。このことからも本質的に難しいコースであることがうかがえる。

●シンガポールは市街地コースで、レースウイークを通じての路面改善が著しい。そのため、金曜日夕方のフリー走行1回目と土曜日夜の予選との間ではラップあたり最大3秒程度の短縮がみられる。

●過去11回行われたF1シンガポールGPのすべてにおいて、最低でも1度ずつセーフティカーが導入されている。

●コース途中のエスプラネード橋では、コンクリート路面を支える鉄骨が磁気を帯びている。周辺に生じる磁場はかなり強力で、通過するマシンのセンサーの一部がその干渉を受けてしまうため、各チームはいくつかのセンサーについて、磁気干渉を受けにくい特別なものと交換している。また、磁気の影響からギヤボックスの油圧バルブを守るため、各チームはシンガポールでの走行に限り、磁気誘導を目的として“ミューメタル”という特別なニッケル合金で覆っている。

●シンガポールでのナイトレース開催を可能にしているのは、マリーナベイ・ストリート・サーキットを照らす1600もの照明投光器だ。

●極端に高温多湿な気候のため、ドライバーはレース中の発汗で体重を約3kg減らしてしまうこともある。

●チームのスタッフもやはり水分を失ってしまうため、水分補給は非常に重要な問題だ。暑い日には、3ないし5リットルの水分摂取が推奨されている。

●シンガポールGPにおいて、ドライバーは投光照明のもとで視認性を改善するためにクリアシールドを使用する。

●シンガポールGPのコースには23ものコーナーがある。これはF1が行われる全コース中最多であり、14の左コーナーと9の右コーナーで構成されている。

●マリーナベイ・ストリート・サーキットでは、ヘビーブレーキングを必要とする箇所はごくわずかだが、ストレートが少なくコーナーが多いために、ブレーキを使用する場面は非常に多い。そのため、各チームにとってシンガポールGPは、最もブレーキの頑丈さが求められるグランプリレースといえる。さらに、その結果として冷却もできるだけ有効に行わなければならない。

●ドライバーは1周走るたびに約62回のシフトチェンジを行う。これは全グランプリレース中で2番目に多い回数となる。2018年のシンガポールGPでは、メルセデスF1のルイス・ハミルトンが3100回、チームメイトのバルテリ・ボッタスが4140回のシフトチェンジを行った。ボッタスの方が回数が多いが、これはレースの大部分でトラフィックにひっかかっていたためだ。

●F1はシンガポールGPをヨーロッパ時間に合わせて設定しており、かなり珍しい時間帯にレースが行われる。各チームは通常お昼前後に朝食を食べ、昼食は午後6時頃にふるまわれる。そして夕食は曜日によって、あるいはその日の作業量によって異なるものの、大体午前1時を過ぎてから食べることになる。

●各チームはシンガポールでの宿舎選定にあたり、部屋に遮光カーテンかブラインドが付いていること、その日のスケジュールに合わせて朝食の時間を設定できることを必要条件としている。また、フロア全体を借り切ることで不要な邪魔が入らないようにするとともに、部屋の清掃も午後にずらしてもらっている。

●2018年の決勝はゴールまで1時間51分11秒かかり、シーズン最長のレースとなった。シンガポールGPでは2時間の制限ギリギリまでレースが終わらないことが多い。


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