2020年F1第15戦バーレーンGPの決勝レースで起きた大クラッシュの後、マリオン・グロージャンは夫ロマン・グロージャンや救助に携わったスタッフの勇気を称え、大勢の人々の励ましのメッセージに対して心からの感謝を表した。

 サクヒールで行われた決勝レースの1周目にすさまじいクラッシュが起きた時、マリオン夫人は3人の子どもたちと自宅でテレビ観戦していた。しかし幸い、クラッシュからわずか数分で、恐ろしい悪夢は安堵できる状況へと変わっていった。炎上するマシンからグロージャンは自力で脱出、手にやけどを負ったものの、骨折など重傷はなく、3日間の入院の後、水曜に退院した。

 フランスのテレビ局『TF1』のキャスター時代にロマン・グロージャンと出会ったマリオンは、夫が今回の激しい事故に遭遇した後、インスタグラムに自身の率直な気持ちを綴った。彼女は、その際に、2014年日本GPでのクラッシュで重傷を負い、翌年亡くなったジュール・ビアンキへの思いにも触れた。ビアンキの事故の後、モータースポーツにおける安全性向上のための取り組みがより一層加速し、2018年F1に頭部保護デバイスであるヘイローが導入された。グロージャンが今回無事だったのは、ヘイローの影響が大きいと考えられている。

 マリオンは、インスタグラムで以下のような文章を発表した。

「もちろん、昨晩は眠れませんでした」

「正直に言えば、何を書いたら良いかまったく分かりません。それでも書くべき、ということだけは分かっています。その方が落ち着けるからです」

「とにかく今朝は、嘘をつきたくないのですが、言葉がうまく出てきません。私がどれほど話し好きかを知っている彼は、きっと笑うでしょうね。彼には、手紙もよく書いているのです」

「そして、どの写真を投稿すべきかも迷いました。昨日の出来事の何をここに残せば良いのか。炎? 救助者に腕を抱えられて歩く彼の姿? マシンの残骸?」

「結局、少し馬鹿げているかもしれませんが、これを選びました。彼がGP2のタイトルを獲得したときに作ったお揃いのTシャツを着ているからです。私は今でも時々これを着て寝ています」

「本当は『チャンピオン』よりも『スーパーヒーロー』という言葉がふさわしいと思いますが、それは特注が必要ですね。説明するのが難しいこの出来事を子どもたちに説明するには、その言葉の方がうまくいきました」

「昨晩、ツイッターには、そのときに有用で、緊急を要すると思った言葉を書きました。何よりも彼らを守らなければと考えたからです。そこで私は夫を守ってくれた『愛の盾』に言及しました(注:「幸運なことに、愛の盾がスーパーヒーローを守ってくれた」と投稿)。今日は、自分の気持ちを表すために、より理性的に書く必要があります。彼と一緒に言葉を見つけていきます」

「メディカルカーの皆さんに感謝します。
(FIA会長)ジャン・トッドと彼の尽きることない思いやりの気持ちに、友情を送ります。
 どれも私たちにとって価値ある、支援、愛情、優しさを示して下さったすべての皆さんに感謝します」

「ジュール・ビアンキの家族、彼の父親であるフィリップ、ありがとう。フィリップのことをいつも考えています。ジュール自身にも感謝します。言葉をかけてくれたケビン・マグヌッセン、思いやりを示してくれた『Canal+』のチームにもありがとうと言いたいです。他にも漏れている人がいたら、ごめんなさい」

「子どもたちにも、ありがとう。あの炎から脱出するよう彼の背中を押してくれました。彼の勇気に、決断に、強さに、愛に、そしておそらく彼を生還させてくれた身体トレーニングに(キム、ダン、あなたたちは最高)感謝します。昨日は、ひとつではなく、いくつものの奇跡が起きました。それらすべてに抱擁を」

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