2021年からRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの新名称を採用するオーストラリア大陸最高峰のツーリングカー選手権に、ホールデン陣営のトップチームとして参戦するErebus Motorsport(エレバス・モータースポーツ)は、2019年に画期的な“10年契約”を締結したばかりだったエースのデビッド・レイノルズ離脱を発表。2017年に『バサースト1000』を制覇した男は、フォード陣営のケリー・レーシング加入が有力視されている。

 また、2020年にはeスポーツ・シリーズを含め大活躍を演じたアントン・デ・パスカーレも、すでに名門Dick Johnson Racing(ディック・ジョンソン・レーシング/元DJRチーム・ペンスキー)への移籍を表明済みで、エレバス・モータースポーツは2021年に向け、TCRオーストラリア初代王者のウィル・ブラウンと、ブロディ・コステッキのフレッシュなペア起用をアナウンスした。

 5年間在籍したチームを離れる決断を下したレイノルズは、2017年にエレバスとともにシリーズ最大の祭典で勝利を挙げるなど、蜜月関係ともいえる順風満帆のキャリアを過ごしてきた。

 しかし2020年は、まさかの表彰台獲得ゼロという不振に陥り関係が悪化。2019年には異例の大型契約を結んでいたものの、長きにわたる協議の結果、双方合意の上で契約解消の判断が下された。

 直近にはパートナーとの間に新しい家族が誕生する予定のレイノルズは、状況によりチームを去ることになったものの「本来ならチームに残ることが最大の望みだった」と明かした。

「そう、僕の希望はエレバスに残留することだったが、残念ながら個人として前に進まなくてはならないときが来たようだ」と語った35歳のレイノルズ。

「僕はチームとの時間を心から楽しんでいたし、ここを去るのは本当に難しい決断だった。過去5年間で素晴らしい友情を育み、成功をともにした。一緒に達成したことを誇りに思っている」

 一方、チームオーナーであるベティ・クリメンコは、チームのステートメントでレイノルズへの敬意を示しつつ、彼が最善の道を進むことを願うとコメントした。

■「ついにスーパーカーに進出できて最高の気分だ」とコステッキ

「つねにデビッドは私たちの歴史と成功の一部であり、多くの戦果を挙げた努力と献身に心から感謝します。しかし残念ながら、彼の将来は他の場所にあると判断しました」と語ったクリメンコ。

「デビッドは彼にとって最善のことをする必要があり、私たちはチームの将来と長期的な安定のために最善を尽くす必要がある。彼と彼の新たな家族が、良い未来を切り拓くことを祈っています」

 これにより、ドライバーラインアップを一新する必要に迫られたエレバス・モータースポーツは、その代役としてフレッシュな2名の若手ドライバーを起用。パスカーレの代役としてすでにチーム加入が発表されていたTCRオーストラリア初代王者のブラウンに加え、レイノルズ離脱発表の数日後には、そのパスカーレと組んで2020年の『バサースト1000』に参戦し、トップ10フィニッシュを果たしていたコステッキに白羽の矢を立てた。

 結果的に、2020年はともにエレバス・モータースポーツから下位カテゴリーのSuper2シリーズに参戦し、フロントランナーとして戦ったブラウンとコステッキが、トップカテゴリーに昇格する形でチームメイトの絆を継続することとなった。

「昨年のバサーストに続いて、ついにスーパーカーに進出できて最高の気分だ。シリーズは1年目だが、チームとは2年目のシーズンになる。ウィル(・ブラウン)と僕は非常に飢えていて、お互いに強くプッシュして高め合える間柄だ。僕らはすでに家族同然で、これはとても重要なことだと思う」と、RSCフル参戦決定の喜びを語ったコステッキ。

 チームのCEOであるバリー・ライアンも、このラインアップが2020年に劣らない強力な組み合わせであることに自信を見せる。

「彼らはすでに準備ができているだけでなく、このスーパーカーでの戦い方を熟知した経験豊富なレーサーたちでもあるんだ」と続けるライアンCEO。

「2名の若くて馴染みある顔がお互いにプッシュし合う関係は、見ていて本当にワクワクするね。彼らに良いクルマを与えることができれば、ふたりは確かに結果を残してくれるはずだ」