WorldRX世界ラリークロス選手権の現ディフェンディングチャンピオンであり、シリーズ3冠の実績を誇るヨハン・クリストファーソンが、2021年シーズンに向け電撃移籍を表明。こちらも2020年のチームタイトルを獲得したEKS JCに加入し、最新世代の『アウディS1 EKS RXクワトロ』のステアリングを握り、自身4度目のタイトルを狙うとアナウンスした。

 2017年、2018年、そして昨季2020年と3度のシリーズ王者に輝いたクリストファーソンは、WorldRX参戦61戦で通算24勝と高い勝率を誇り、このラリークロスの世界選手権で最も成功を収めたドライバーとして認知されている。

 それらの戦績はすべて『フォルクスワーゲン・ポロ』のシートに座って達成されており、WRC世界ラリー選手権王者ペター・ソルベルグ率いるPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンでドライブした『ポロR』では、ドイツ・ハノーヴァーのファクトリー支援も受けて連覇を達成。

 その後は自身のファミリーチームであるKMS(クリストファーソン・モータースポーツ)が実働を担ったフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスでのプライベート・スペック『ポロGTI RXスーパーカー』で勝利数を積み重ねてきた。

 しかし、来るシーズンに向け新天地での挑戦を選択した32歳のスウェーデン出身ドライバーは、JCレーステクニーク代表のジョエル・クリストファーソンと、こちらもWorldRXチャンピオン経験者であるマティアス・エクストローム率いるEKSにジョイントし、自身初のアウディをドライブする。

「まず第一に、2021年も世界ラリークロスのフルシーズン出場が確認できたことをとてもうれしく思っている。新しいチームで戦うことは僕にとって真の挑戦ということになるかな」と、新天地に向けて意気込みを語ったクリストファーソン。

「EKS JCはレースやチャンピオンシップに勝つ方法を知っており、最初の2日間のテストの後、お互いに学びを得ることができた。代表のジョエル以下、このチームは目標を達成することに非常に情熱的で意欲的だし、僕のドライバーズタイトルやチームメイトのエンツォ・アイドとともに、チームのチャンピオン防衛に向けても努力を惜しまないつもりだ」

■「彼に勝てないなら、彼に加わってもらえばいい」と期待を寄せるチームオーナー
 ここまでクリストファーソンは、ポルシェ・カレラカップ・スカンジナビアを皮切りに、TCRスカンジナビアことSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権やイタリアのスーパースターズ・インターナショナルシリーズなど、ツーリングカーで数々のタイトルも獲得。

 WTCR世界ツーリングカー・カップも経験した多彩な男は、現在キャリアの過程で次なるフェイズを迎えており、元オーストラリア・ラリー選手権王者のモリー・テイラーとタッグを組み、ニコ・ ロズベルグ率いるロズベルグ・Xレーシング(RXR)のエースとして、電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』でランキング首位に立っている。

「もちろん現役のWorldRXチャンピオンとして新シーズンに臨むとき、その目標は再び勝利を挙げてタイトル防衛を果たすことだが、それが簡単な作業でないことはよく理解している。僕自身、その苦しさを2度も経験したし、今季も王座獲得のために必要な仕事はなんでもするつもりさ」とクリストファーソン。

「ラリークロスがラリークロスである限り、そこにはいつだって熾烈なコンペティションとアクション満載の勝負が存在する。僕らは一生懸命戦わなければならないし、その準備もできている。新しいクルマで最初のイベントに行き、どんな位置で戦えるのか今から本当に楽しみだよ」

 一方、2016年のWorldRXドライバーズチャンピオンであり、EKS JCの共同オーナーを務めるエクストロームも、自身最大のライバル起用について「彼に勝てないなら、彼に加わってもらえばいいんだ!  とてもシンプルな方法だよね(笑)」とジョークを混えながらも、強い期待感を示した。

「僕はこのWorldRXで、ヨハンと多くの素晴らしい戦いを繰り広げてきた。その勝負を見守った人なら誰もが、ヨハンこそ特別なスキルセットを持っていることに同意できるはずだ」と最大級の賛辞を送ったエクストローム。

「チームとドライバーの両方のタイトル獲得を目指すEKS JCにとって、フィールドの残りもう1台のマシンを託すドライバーとして、これほど最適な人選はないだろうね!」