フォードは1月28日、今週末に開催されるデイトナ24時間レースの舞台となるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイにおいてプレスカンファレンスを実施し、新型フォード・マスタングGT3の開発をアナウンスした。デビュー予定は2024年だ。

 フォードのまったく新しいGT3カーは、2024年にフォード・パフォーマンスのワークスプログラムの一環としてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDプロクラスに投入される。このプログラムはマルチマチック社との共同プロジェクトとなり、2台のワークスマシンが送り込まれる予定だ。また、同時にカスタマーチームへの供給も予定されている。

 マルチマチックが製作する新型車両にはフォード・パフォーマンスが開発した5.0リットル・コヨーテベース・フォードV8が搭載される。このエンジンのチューニングは、フォードと長年にわたってパートナーシップを組んでいるイギリスのMスポーツが担当する予定だ。

 今回発表されたプログラムは2016年から4年間、チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)とともにWEC世界耐久選手権、およびIMSAで行われた『フォードGT』でのワークス活動の終了以降、初めてフォードがトップレベルのスポーツカーレ―スに復帰することを意味する。

 同社はIMSAのトップカテゴリーであるDPiへの移行を検討し、その流れで2023年以降に登場するLMDhを評価していたが、最終的にはプロトタイプレースではなく、グローバルなGT3プラットフォームで生産車ベースの競争に留まることを選択した。

「マスタングはスタートの時点からレースをするために生まれたクルマだ。そのクルマのGT3バージョンを開発し、世界中の名だたるメーカーと真っ向勝負ができることをうれしく思う」と語るのは、フォード・パフォーマンス・モータースポーツ・グローバルディレクターのマーク・ラッシュブルック。

「NASCARやオーストラリア・スーパーカーなどを含む58年におよぶ世界的な耐久レースの歴史を持つ我々は、マスタングをグローバルな次のレベルのパフォーマンスへと導く準備ができている」

 カナダのマルチマチック社は、IMSAにおけるフォードのファクトリープログラムの運営に加え、プロ・アマカテゴリーであるIMSA GTDクラスでマスタングGT3を走らせたいと考えるカスタマーチームのサポートを担当する。

「マルチマチック・モータースポーツが、我々にとってこのプロジェクトにおける最適なパートナーであること疑いようのないことだ」とラッシュブルック。

「彼らは過去に多くのマスタング・カスタマープログラムを開発するために我々と協力してきただけなく、フォードGTプログラムや新型ブロンコDRのカスタマーレースプログラムによって、フォードとその顧客にチャンピオンシップを争うレベルのレースプログラムを提供できることを示してきた」

■ジョーイ・ハンドがテストドライバーを担当

 2024年に登場する予定のマスタングGT3は、フロントとリヤに特注のショート-ロングアームサスペンションを装備するほか、カーボンファイバー製ボディパネル、リヤにマウントされるトランスアクスルギアボックス、GT3のターゲットを達成するために開発された独自のエアロパッケージよって構成される予定だ。

 2016年のル・マン24時間レースで、フォードGTを駆りLMGTEプロクラス優勝を果たしたメンバーの一員であるジョーイ・ハンドは、新型マスタングGT3のテストドライバーのひとりに指名された。

 ハンドは、「フォードと一緒に、また素晴らしいスポーツカーレース・プログラムの第一線に立つことができて最高の気分だ」と語った。

「僕はもちろん、サーキットでレースをして勝利することが好きだが、このマスタングのようにまったく新しいレースカーの開発に参加することも楽しみだ」

「フォードGTのプログラムでは多くのテストを行った。この新しいクルマをレースに向けて準備するために、フォードやマルチマチックの仲間と一緒に、ふたたび仕事ができるのは素晴らしいことだ」。

 ワークスプログラムに参加するレースドライバーをまだ発表していないアメリカのメーカーは、GT3仕様のマスタングの開発に加え、2023年にデビューを予定する新型マスタングのGT4モデルを展開していく予定だ。

 現行のマルチマチック製GT4モデルは2017年にデビューし、その後複数回にわたってアップデートが行われてきた。

「マスタングGT4のプログラムをサポートし続けることは、我々にとって重要な役目のひとつだ」とラッシュブルックは述べる。

「私たちは現行のGT4モデルで、ここ北米だけでなくヨーロッパでも多くの成功を収めている。2023年には、そこで真新しいマスタングGT4をカスタマーに供給できることを楽しみにしている」

「このことについては近い将来、さらに詳しく伝えることができるようになる」