5月上旬に、マイアミで開幕したWシリーズは2週間後、ヨーロッパに戻り、F1スペインGPのサポートレースとして第2ラウンドが行われた。

 そのWシリーズに今年から参戦しているJujuこと野田樹潤にとっても、ヨーロッパラウンドは拠点にしているデンマークからも近く、移動は楽だ。

 アメリカへの移動の際はそれほど感じなかった時差ボケも、「自宅があるデンマークに帰ってきてからは結構、時差ボケに苦しみました」と笑う。

 Wシリーズはできるだけイコールコンディションでレースができるよう、ドライバーがファクトリーへ行って、エンジニアと次のレースに向けてミーティングするを原則、禁止している。そもそも、セットアップも非常に限られた範囲でしか変更は許されないため、長時間ミーティングするメリットもない。

 でも、スペインに向けて、何もできないわけではない。Jujuの自宅にはシミュレーターが装備されており、「そのシミュレーターに乗って、バルセロナのコースを走っていました」とJujuは語る。というのも、Jujuにとってカタロニア・サーキットを走るのは、シーズン前にWシリーズのテストが初めてで、それ以外には走行したことはないからだ。

「テストは2日間あったのですが、1日目の午後と2日目の午前中しか走ることかできなかったので、正味1日という感じです」と言うJujuの記憶にあるカタロニア・サーキットの印象は、「高速コーナーがあって首がつらかった(笑)。特に3コーナー。今回はF1も走るので、きちんとラインを見つけて外さないようにしたい。あといろんなコーナーがあって、結構テクニカルだなというイメージです」だと言う。

 第2ラウンドのスペイン戦は、開幕戦のマイアミとは週末のスケジュールが異なる。マイアミでは2レースあったが、今回は土曜日の1レースのみ。

「1回しか決勝がないのは、ヨーロッパに来てからは初めてなので、ちょっと物足りないかな」とJujuがいうのには理由があった。マイアミの後、さまざまな応援メッセージが届いていたからだ。

「応援してくれる人から、『前回はクルマの状態がよくなったようなので、今回はいい状態で走ることができるといいね』という声をいただきました。前回は集団のなかにも入ることができず、孤独なレースだったので、今回はきちんとしたレースをしたいんです」

 残念な結果に終わった前回のマイアミから気持ちの切り替えはできているのか?

「はい、できています。前回はロングストレートでも前にクルマが見えないなかでレースをしていて、正直精神的にはきつかった。でも、これまでもアクシデントなどで後ろに下がって孤独なレースをしなければならないことがなかったわけではない。また原因がわからずに一番後ろにいるのは本当に辛いのですが、あのときは原因がわかって孤独なレースをしていたので、そういうつらい気持ちを跳ね除けることができました。また最後の方はラップタイムも悪くなかったので、自信はなくしてはいません」

 こうしてJujuのWシリーズ、第2ラウンドが始まった。