4月30日、2023年MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスの決勝がスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、ホンダ勢は中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が9位だったが、ステファン・ブラドル(HRC Team)は14位、イケル・レクオーナ(レプソル・ホンダ・チーム)が16位だった。

 テストライダーでワイルドカード参戦のブラドルは開発データもとりつつ、スプリントで16位、決勝は14位で完走。ライバル勢の走りも見て、ホンダRC213Vの改善点などを見極めていた。

 マルク・マルケスの代役として出場のレクオーナは、スプリントでは18位、決勝は16位だ。ポイント獲得には届かなかったが、徐々にスピードをあげ、タイヤの消耗なども経験した。スーパーバイク世界選手権(SBK)に戻ることになるが、この経験を活かし再度代役を務めることもあるかもしれない。

 また、前戦のアメリカズGPで優勝しているアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)とジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)は転倒を喫してリタイアしている。

■ステファン・ブラドル(HRC Team)
「とてもいいレースウイークになった。多くのことを学び、多くのデータを収集することができた。われわれの期待は現実的なものであり、テストチームとしての目標を、しっかり達成することができた。自分たちの仕事をこなし、予定していたメニューを消化し、転倒もなく、そしてポイントを獲得することもできた」

「そして、もっとも重要なことは、ほかのホンダライダーやライバル勢の走りを見ることができたことだ。HRCのエンジニアに、自分たちのストロングポイントや、ライバル勢に近づくためには何を改善すべきかなど、実に多くのフィードバックをすることができた。チームと一緒にレースをすることで、多くのことを学ぶことができた。将来に向けてポジティブな週末を過ごすことができたと思う。チームに感謝している」

■イケル・レクオーナ(レプソル・ホンダ・チーム)
「最初に言いたいことは、今週は夢のような時間を過ごすことができたということだ。MotoGPのファクトリーライダーとして、そしてレプソル・ホンダ・チームの一員として、スペインGPに参加することができた。子どものころから夢見ていた瞬間だった。HRC、レプソル、そしてここにいるすべてのクルーに、感謝の気持ちを伝えたい」

「みんなよく働いてくれた。そして、僕を助けてくれた。マシンに乗るたびにスピードが上がり、フィーリングもよくなった。レースでは、最初の10周は集団についていくことができたけど、その後は、フロントタイヤのパフォーマンスが少し落ちたような感じになり、その対処法がわからず、遅れてしまった。でも終盤は、だんだん慣れてきて、ラウルに追いつくことができた。あと半周あれば、彼を抜いてポイントを獲得できたかも知れない。とにかく、すばらしい週末だった。本当にハッピーだ。みんなに感謝している。そして、これからは、バルセロナで開催されるSBKに向けて気持ちを切り替え、準備したい」

■アレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)
「レース中に何が起こったのかを理解する必要がある。クラッチのフィーリングがよくなくて、クラッシュしてしまった。重要なのは、次のレースに向けて原因を分析し、改善することだ。明日はテストがある。いろいろなパーツを試すことができるから、集中したい」

■ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)
「暑い日が続き、厳しい大会になった。われわれは、マシンを理解し限界を克服するために取り組んでいるけど、プッシュしようとすると限界に達しフロントを失ってしまう。幸いにも、明日のテストでそれを改善する時間がある。明日はベースセッティングに取り組みたい。今回、ステファンが取り組んでいるテストメニューは、僕らに役立つものがいくつかあると思うので、明日のテストが楽しみだ。このマシンでまだ4戦しかしていない。これからも改善を続けていかなければならない」