2023年シーズンのスーパーGT第2戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE』が静岡県の富士スピードウェイで開幕した。5月3日9時5分から行われた公式練習ではGT500クラスは100号車STANLEY NSX-GTの牧野任祐が、GT300クラスは56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが最速タイムを記録した。

 4月の第1戦岡山から2週間あまりという短いインターバルで迎えた、大型連休恒例の富士戦。走行初日となった5月3日の富士スピードウェイには、朝から強い日差しが降り注いだ。3月末に開催された2日間の公式テストはウエットコンディションで行われたため、ドライ路面でのデータが不足している各陣営にとっては、1時間45分間設けられた公式練習のセッションが、予選・決勝へ向けたマシンのセットアップのために重要な時間となる。なお、このラウンドからは前戦までの獲得ポイントに応じ、各社はサクセスウエイト(SW)を搭載している。

 午前9時5分、気温18度/路面温度33度/湿度54%というドライコンディションでセッションがスタートすると、開始10分後までにエントリーする41台全車がコースイン、精力的に周回を重ねていった。

 開始15分の時点では、au TOM’S GR Supraの坪井翔が1分28秒126でタイムシート最上段に立ち、ZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明、ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也と、まずはGRスープラ勢が上位につける。

 GT300ではリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが1分35秒748で暫定首位、これにJLOCランボルギーニ GT3の元嶋佑弥、K-tunes RC F GT3の新田守男が続く序盤となった。

 ここで、41台のなかで最も遅れてコースインしていたマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の冨林勇佑が、セクター3のターン13アウト側のランオフエリアにマシンを止めたため、9時22分に赤旗が提示されセッションは中断となった。マシンはFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)車両の牽引により、パドックへと戻されている。

 9時26分にセッションは再開。このあと、Astemo NSX-GTの松下信治が2番手、ARTA MUGEN NSX-GT16号車の福住仁嶺が3番手へと、NSX-GT勢がポジションを上げてくる。GT300では、SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が3番手にまで順位を上げた。

 しかし9時40分過ぎ、山内は突然ターン14のコース脇にマシンを止めてしまう。一旦はオフィシャルポスト脇の開口部からサービスロードに入れられたが、しばらくするとスロー走行でコースに戻り、ピットを目指した。

 9時50分、GT300クラスの3番手にはmuta Racing GR86 GTの堤優威が浮上。セッション開始から1時間が経過する頃には、序盤にストップしたマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号もピットを出て走行を再開した。

 10時12分、アウトラップの埼玉トヨペットGB GR Supra GTのリヤハッチ左側がめくれ上がり、吉田広樹はスロー走行でマシンをピットへと戻した。

 10時30分から10分間は、GT300クラスの専有走行に。ここで埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰が1分36秒273を記録して4番手へとポジションアップ。暫定3番手muta Racing GR86 GTの平良響も自己ベストを更新するが、2番手にはわずかに100分の1秒届かず、ポジションは変わらない。

 GT500ボードが提示されるなか、UPGARAGE NSX GT3の小出峻、シェイドレーシング GR86 GTの清水英志郎、Bamboo Airways ランボルギーニ GT3の坂口夏月らが自己ベストタイムを更新するが、上位10台の順位は変わらず。セッション序盤のタイムでリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(SW:3kg)が最速。JLOC ランボルギーニ GT3(SW:0kg)、muta Racing GR86 GT(SW:0g)と続くGT300のトップ3となった。

 10時40分からのGT500専有走行では、Niterra MOTUL Zの高星明誠、MOTUL AUTECH Zの松田次生がやや遅れてコースへ向かった。専有走行開始前の時点ではトップ15台が1秒094の差しかない混戦模様となっていた。

 残り3分を切り、各車は予選シミュレーションのアタックラップに入った模様。まずタイムを縮めてきたのはENEOS X PRIME GR Supraの山下健太で、1分27秒639で首位に立つ。

 さらにARTA MUGEN NSX-GT8号車の野尻智紀が3番手へジャンプアップ。するとここからNSX-GT勢が怒涛のタイム更新を見せる。STANLEY NSX-GTの牧野任祐が1分27秒629と僅差で山下を上回り、暫定トップへ。残り1分になるタイミングでは、ARTA MUGEN NSX-GT16号車の大津弘樹が3番手に上げてくる。

 10時50分にチェッカーが提示。2周連続アタックを敢行したとみられる大津はタイム更新ならず。一方、この時点で4番手だったau TOM’S GR Supraの宮田莉朋は自己ベストをマークするが、順位は上がらない。そして最後の最後でこの宮田のタイムを上回り4番手に飛びこんだのは、Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京だった。

 これで公式練習のセッションは終了。GT500クラスのトップタイムはSTANLEY NSX-GT(SW:0kg)、0.010秒差の2番手にENEOS X PRIME GR Supra(SW:16kg)、以下ARTA MUGEN NSX-GT16号車(SW:0kg)、Deloitte TOM’S GR Supra(SW:0kg)、au TOM’S GR Supra(SW:0kg)、ARTA MUGEN NSX-GT8号車(SW:22kg)と、比較的サクセスウエイトが軽量な車両がトップ6を占めた。GT500クラスでは、首位から15番手までは1.198秒差となっている。

 このあと富士スピードウェイではFCY(フルコースイエロー)のテスト、およびサーキットサファリが行われ、決勝スターティンググリッドを決するノックアウト式予選は15時15分にGT300クラスのQ1・Aグループのセッションからスタートする予定だ。

■2023スーパーGT第2戦富士 GT500公式練習結果
Pos.No.TeamCarDriverTireSWTimeLaps1100TEAM KUNIMITSUSTANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS0kg1'27.62937214TGR TEAM ENEOS ROOKIEENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS16kg1'27.63945316ARTAARTA MUGEN NSX-GT福住仁嶺/大津弘樹BS0kg1'27.85734437TGR TEAM Deloitte TOM’SDeloitte TOM’S GR Supra笹原右京/G.アレジBS0kg1'27.86045536TGR TEAM au TOM’Sau TOM’S GR Supra坪井翔/宮田莉朋BS0kg1'27.8744068ARTAARTA MUGEN NSX-GT野尻智紀/大湯都史樹BS22kg1'28.04334738TGR TEAM ZENT CERUMOZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS12kg1'28.1073881TEAM IMPULMARELLI IMPUL Z平峰一貴/B.バゲットBS10kg1'28.12438917Astemo REAL RACINGAstemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS8kg1'28.167381019TGR TEAM WedsSport BANDOHWedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH4kg1'28.23843113NDDP RACINGNiterra MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI30kg1'28.244311223NISMOMOTUL AUTECH Z松田次生/R.クインタレッリMI42kg1'28.282371324KONDO RACINGリアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH0kg1'28.344441439TGR TEAM SARDDENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/中山雄一BS6kg1'28.578361564Modulo Nakajima RacingModulo NSX-GT伊沢拓也/太田格之進DL2kg1'28.82737
※天候:晴れ 路面:ドライ
※SW:サクセスウエイト
※BS:ブリヂストン、YH:ヨコハマ、DL:ダンロップ、MI:ミシュラン
スタート時刻:9時5分00
フィニッシュ時刻:10時50分00
赤旗提示時刻9時22分00(9Laps)〜9時26分00(9Laps)

■2023スーパーGT第2戦富士 GT300公式練習結果
Pos.No.TeamCarDriverTireSWTimeLaps156KONDO RACINGリアライズ日産メカニックチャレンジGT-RJ-P.デ・オリベイラ/名取鉄平YH3kg1'35.74840288JLOCJLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH0kg1'36.1554432muta Racing INGINGmuta Racing GR86 GT堤優威/平良響/加藤寛規BS0kg1'36.16540452埼玉トヨペット Green Brave埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS18kg1'36.27333561R&D SPORTSUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL0kg1'36.3561464GOODSMILE RACING & TeamUKYOグッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH6kg1'36.3954676Team LeMansDOBOT Audi R8 LMS片山義章/R.メリ/神晴也YH0kg1'36.44934896K-tunes RacingK-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL0kg1'36.48241950ANEST IWATA Racing with ArnageANEST IWATA Racing RC F GT3I.フラガ/古谷悠河/小山美姫YH0kg1'36.514371031aprapr LC500h GT嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生BS0kg1'36.523331118TEAM UPGARAGEUPGARAGE NSX GT3小林崇志/小出峻YH60kg1'36.567371211GAINERGAINER TANAX GT-R富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介DL0kg1'36.607351320SHADE RACINGシェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎/山田真之亮DL0kg1'36.700331430aprapr GR86 GT永井宏明/織戸学/小河諒YH0kg1'36.811391587JLOCBamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH12kg1'36.811411610GAINERPONOS GAINER GT-R安田裕信/大草りきDL0kg1'36.825351760LM corsaSyntium LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL9kg1'36.890331825HOPPY team TSUCHIYAHOPPY Schatz GR Supra GT菅波冬悟/野中誠太YH0kg1'37.00339197BMW Team Studie x CRSStudie BMW M4荒聖治/柳田真孝MI15kg1'37.069442065K2 R&D LEON RACINGLEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS48kg1'37.1863121360TOMEI SPORTSRUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤/大滝拓也YH0kg1'37.2414022244Max RacingHACHI-ICHI GR Supra GT佐藤公哉/三宅淳詞YH33kg1'37.532352327Yogibo RacingYogibo NSX GT3岩澤優吾/伊東黎明YH24kg1'37.694342448NILZZ Racing植毛ケーズフロンティア GT-R井田太陽/甲野将哉/眞田拓海YH0kg1'38.45544255TEAM MACHマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号冨林勇佑/松井孝允YH0kg1'38.641222622R’Qs MOTOR SPORTSアールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹/加納政樹YH0kg1'38.92342
※天候:晴れ 路面:ドライ
※SW:サクセスウエイト
※BS:ブリヂストン、YH:ヨコハマ、DL:ダンロップ、MI:ミシュラン
スタート時刻:9時5分00
フィニッシュ時刻:10時50分00
赤旗提示時刻9時22分00(9Laps)〜9時26分00(9Laps)
*CarNo.48 井田太陽(9時40分)罰金50,000円(H項2.5.4.1 b)「赤旗中の追い越し」)
*CarNo.50 古谷悠河(11時03分)罰金20,000円(SpR.27-3.「エンジン未停止での作業」)