5月26〜28日に静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOSスーパー耐久シリーズ2023第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。富士スピードウェイはレース終了後にプレスリリースを発行し、3日間の大会期間中の観客動員数を延べ4万7000人と発表した。

 2023年も大きな盛り上がりを見せた富士24時間レースは、5月25日の専有走行と26日の公式予選を経て、27日決勝日に込山正秀小山町長による開会宣言に続き、グリーンフラッグが振り降ろされてフォーメーションラップが開始された。

 レース序盤では、ポールスタートのHELM MOTORSPORTS GTR GT3の鳥羽豊を2番手スタートの中升 ROOKIE AMGの片岡龍也が1周目のパナソニックコーナーでオーバーテイク。中升 ROOKIE AMGの先行を許したHELM GTRは平木玲次へとドライバー交代を行い、ハイペースの走行を続け、65周目には見事トップを奪い返して見せた。

 その後レースはクリーンに進行し、FCY中のピットインでタイムを稼いだDAISHIN MPRacing GT-Rも加えた3台がトップを争い、レースは夜間セッションへと突入。しかしその後は3台それぞれが、ピットストップペナルティやドライビングスルーペナルティ、部品破損のトラブルなどでタイムをロス。

 次第に争いは耐久レースの様相を強くしていくが、日の昇るころにはハイペースのDAISHIN MPRacing GT-Rがトップの座を奪取する展開に。その後藤波清斗駆るDAISHIN MPRacing GT-Rは、総合優勝をめがけてトップを快走し、2番手に約2周の差をつけてレースをリードしていく。

 しかし、DAISHIN MPRacing GT-RがジェントルマンのJOH SHINDOにドライバーを交代すると、中升 ROOKIE AMGはプロドライバーの蒲生尚弥へとドライバーを交代。1周あたり3〜4秒ほど速い蒲生の力走は次第にトップとの差を縮め、残り23分時点でついにJOH SHINDOからトップの座を奪い返す。そのまま蒲生はチェッカーまで走り切り、中升 ROOKIE AMGが逆転で見事総合優勝を飾った。

 レーシングコースでは白熱のサバイバルレースが繰り広げられたが、大会期間中のイベント広場では人気特撮作品『ウルトラセブン』とのコラボレーションイベントや、カーボンニュートラル事業に取り組む各企業の集合展示ブースの『カーボンニュートラル科学館』には多くの観客が訪れた。

 また、ナイトセッションとなった20時ごろには富士24時間レース恒例の花火が打ち上げられ、、P16B駐車場で行われた『CHILL OUT BASE 2023』ではアルコールを含めた食事と音楽がふるまわれ、24時間レースというお祭り気分をさらに盛り上げた。

 レースウイーク中は、予選決勝と終始ドライコンディションでレースが行われた。富士スピードウェイによると、観客動員数は26日(金)5000人、27日(土)2万2200人、28日(日)1万9800人が来場したという。昨年を約9000人上回る総勢4万7000人が来場しキャンプなどを行いながら日本で唯一の24時間レースを楽しんだ。