6月3日、2023年F1第8戦スペインGPの予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季4度目となるポールポジションを獲得した。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は15番手で予選を終えている。

 現地時間16時(日本時間23時)、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットを舞台に、気温20度、路面温度24度、湿度74%、予選はわずかに小雨が降るも、路面は“まだ”ドライというコンディションのなか開始された。なお、今大会ではC1タイヤがハード(白)、C2タイヤがミディアム(黄)、C3タイヤがソフト(赤)と、固めのコンパウンドが割り当てられている。

■Q1:ルクレールがまさかのQ1敗退の波乱

 18分間のQ1は、各車天候の悪化を嫌ってソフトタイヤを履き早めにコースイン。そんななか、アウトラップの角田がターン10立ち上がりでスピン。幸いスポンジバリア等への接触はなくコースへ復帰する。

 セッション残り14分13秒というところで、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が単独スピンからコースオフ。これで赤旗が提示されセッションは一時中断。その裏では、アロンソ、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)もグラベルに飛び出すなど、ドライタイヤでの走行は困難なレベルに雨量も増加傾向となる。

 小雨が止んだ現地時間16時12分(日本時間23時12分)にQ1は再開を迎えた。赤旗前の最速タイムはピエール・ガスリー(アルピーヌ)の1分14秒618、2番手が0.202秒遅れのエステバン・オコン(アルピーヌ)とアルピーヌ勢が並んでいたが、そのタイムをフェルスタッペンが1分13秒660というタイムで上回り暫定トップに浮上する。

 また、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がフェルスタッペンに0.031秒差の2番手につけ観客を沸かせる。一方、地元の大きな期待を背負うアロンソは1分14秒605で暫定6番手とファーストアタックは伸び悩む。また、デ・フリースも赤旗中断前にスピンを喫したターン10のほぼ同じ場所で、セッション再開後に2度目のコースオフを喫してしまう。

 フェルスタッペンは2度目のアタックで1分13秒615と最速タイムを更新。ただ、チームメイトのセルジオ・ペレス(レッドブル)は1分15秒122で16番手、シャルル・ルクレール(フェラーリ)もセッション中盤のベストは1分15秒202の暫定17番手とQ1敗退圏内に沈み、ルクレールは無線で「リヤか何かがおかしい」と告げる。

 ただセッション終盤、ペレスは自己ベストを更新。1分13秒874で15番手に浮上しギリギリQ2進出、また角田も最後のアタックで14番手に浮上しQ2進出を果たした。一方、ルクレールは最終アタックでトラックリミットを取られ、当落圏内から脱することは叶わずまさかの19番手でチェッカーとなった。

 16番手ボッタス、17番手ケビン・マグヌッセン(ハース)、18番手アルボン、19番手ルクレール、20番手ローガン・サージェント(ウイリアムズ)の5台がQ1敗退となった。

■Q2:ペレス、ラッセル、角田が敗退

 続く15分間のQ2セッションは現地時間16時34分(日本時間23時34分)に開始された。路面コンディションの改善が進むなか、真っ先にアタックに入ったフェルスタッペンが1分12秒760をマーク。続いてペレスもアタックに入るが、フェルスタッペンに0.854秒差を開けられてしまう。

 セッション残り9分をきり、アロンソがQ2最初のアタックで1分13秒278に浮上。歓声湧くも、フェルスタッペンとは0.518秒と大差に。そんななか、セクター1&3全体ベストを更新して好調ぶりを見せたのは、Q1をトップで通過したルイス・ハミルトン(メルセデス)。セクター2で出遅れるも記録は1分12秒999、フェルスタッペンに0.239秒差の2番手で続く。

 Q2敗退圏内の5台にマクラーレンの2台、アルフタウリの2台、サージェントというなかでQ2は残り4分を切った。ここで角田はニューのソフトを投入し、今季3度目のQ3進出へ向け勝負に出る。

 8番手につけていたペレスはQ3進出が危ういなか、終盤のアタックへ。しかし、セクター1でバランスを崩しグラベルにコースオフ。まだ時間は1周分残されるも、戦況はかなり厳しい状況に。

 終盤、ノリス、ピアストリも自己ベストを更新し上位浮上。また角田は自己ベストを更新もトラックリミットを取られ15番手に後退。そして最後のアタックかけたペレスは11番手、ラッセルが12番手とQ3進出を逃すこととなり、11番手ペレス、12番手ラッセル、13番手周冠宇(アルファロメオ)、14番手デ・フリース、15番手角田がQ2敗退となった。

 なお、Q2終盤にはラッセルとハミルトンがターン1でわずかに接触するシーンが見られた。ハミルトンは「ラッセルがスロットルを抜いた」と無線を飛ばしている。

■Q3:アロンソ失速もサインツが2番手でスペインのファン沸く

 ポールポジションを決める最終Q3は12分間。地元の注目が集まるアロンソだが、Q1序盤にコースオフした際にフロアに何らかのダメージを受けたか、ガレージでフロアのチェックに時間を費やす。

 セッション序盤、一方のフェルスタッペンは1分12秒272をマークし、この最終セッションでも他を寄せ付けない。ただ、0.9秒差で続く暫定2番手のハミルトン以下は接戦の様相となり、終盤の最終アタックに注目が集まった。

 残り時間3分を切り、ようやくここでアロンソがコースインし、1アタックにかける。ただやはりQ1でのコースオフの影響か、セクター1でフェルスタッペンから0.3秒落ちとなり記録は1分13秒507に終わる。

 そんななか、スペイン出身のサインツが1分12秒734をマークし2番手に浮上し観客を沸かせた。さらに3番手には1分12秒734をマークしたノリスが続いてチェッカー。

 フェルスタッペンが他を圧倒する走りで今季4度目となるポールポジションを獲得した。2番手にサインツ、3番手にノリスが続き、以下、暫定結果は4番手にガスリー、5番手にハミルトン、6番手にストロール、7番手にオコン、8番手にヒュルケンベルグ、9番手にアロンソ、10番手にピアストリなった。

 2023年F1第8戦スペインGP決勝は、6月4日の日本時間22時にスタートを迎える。