ドバイの投資会社AIXインベストメントグループは、ドイツのPHMレーシングが運営し『PHM AIXレーシング』として参戦してきたFIA F2とFIA F3のチームを完全買収したと発表した。この買収に伴い、今週末イタリア・イモラで開催されるFIA F2第4戦とFIA F3第3戦より、同チームは『AIXレーシング』へと名称を変更する。

 ポール・ミュラーにより設立されたPHMレーシングは、2021年にシングルシーターでの活動を終えたドイツのミュッケ・モータースポーツの元スタッフらが集結し、2022年よりUAE F4選手権、ドイツのADAC F4、イタリアF4に参戦。また、「収益のほとんどをドライバーのための教材と教育に投資する」というユニークなコンセプトでも話題を集めた。

 2023年シーズンはチャロウズ・レーシング・システムのサポートを受け『PHMレーシング・バイ・チャロウズ』としてF1直下のFIA F2、FIA F3に参戦を開始。チャロウズがチーム運営から離れた2024年シーズンは、前年から同チームをスポンサードしていたAIXインベストメントグループを共同パートナーに迎え、『PHM AIXレーシング』として開幕から3大会を戦ってきた。

 そんななか、5月17〜19日にイタリア・イモラで開催されるFIA F2第4戦とFIA F3第3戦を直前に控えた5月13日、AIXインベストメントグループは『PHM AIXレーシング』のFIA F2とFIA F3チームの完全買収を発表し、両チームの名称が『AIX Racing』へと変更することを明らかにした。

 なお、『PHM AIXレーシング』ではFIA-F4を始めとした各地のミドルフォーミュラでも活動を行っている。今回のAIXインベストメントグループによる買収はFIA F2、FIA F3チームのみであり、イタリアF4や中央ヨーロッパで開催されているCEZ F4においては引き続き、PHM AIXレーシングとして参戦する。

 AIXレーシングは、今季FIA F2においては開幕3大会6レースを終えて11チーム中唯一無得点。FIA F3では開幕2大会4レースを終えて獲得ポイントは4点、チームランキングは10チーム中8位という状況だ。AIXインベストメントグループによる完全買収は同チームの浮上のきっかけとなるだろうか。