5月25〜26日、2023/2024年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン10の上海E-Prixが中国の上海インターナショナル・サーキットで開催され、第11戦はミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)、第12戦はアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が優勝を飾っている。

 いよいよシーズン後半戦に入り、大詰めを迎えている2024年のフォーミュラE。今回の中国大会は、以前までの北京から舞台を移し、F1などが開催される上海インターナショナル・サーキットで争われる。

 まず25日に行われた第11戦では、3番グリッドからスタートしたエバンスがレース序盤から好走。先行するマシンたちをかわしてトップに浮上すると、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)とのバトルを制してトップチェッカーを受けた。

「とてもハッピーだけど、レース運びは簡単ではなかった。エネルギーのアドバンテージがあったから、時間をかけてレースを進めることができた。チャンピオンシップにとって素晴らしいポイントになったね」と勝者エバンス。

 2位のウェーレインは「タフなレースだった。最終的に僕たちは少し早く、そして⻑くトップに⽴ちすぎたね。そこでエバンスや他のドライバーたちがエネルギーアドバンテージを築くことができたんだと思う」と展開を悔やむ。

 翌26日の第12戦は、16周目にダ・コスタがノルマン・ナト(アンドレッティ・フォーミュラE)をオーバーテイクして首位に立つと、ジェイク・ヒューズ(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)からの猛攻を防ぎきって今季2勝目を挙げた。

 前大会のベルリンE-Prixから勝利を続けるダ・コスタは「僕たちが築いてきた勢いに⾮常に満⾜している。ほぼ毎週レースを⾏ってきたから、少しずつ進歩をし続けることができた。シーズン序盤は残念な結果だったけど、今は確実に良い勢いがあるよ!」と喜びを語る。

 そしてフォーミュラEキャリア初の表彰台を手に入れたヒューズは「今⽇は今までとは違うレースができたと思う。オリー(ローランド)を⾒習って、とにかく先頭の近くにいたいと思っていたけど、今⽇のようなドライビングでレースがこんなに楽に感じられるなんて驚きだよ! この調⼦でいけるといいね」と次戦以降も躍進を狙う。

 チャンピオンシップでは、この上海E-Prixを3位と4位で終えたニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)が167ポイントでトップを守る結果に。25ポイント差の2位にはウェーレインが続き、エバンスが132ポイントで3位となっている。

 フォーミュラEシーズン10の次戦は、アメリカ・オレゴン州のポートランドで6⽉29〜30⽇に第13戦と第14戦が、ふたたびダブルヘッダーで開催される予定だ。