「田舎の本屋が生き残る道は…」 沼津の老舗書店×人気ケーキ店 異色タッグが新店舗
静岡新聞DIGITAL6/20(金)8:34

新店舗で開店後の期待を語り合う杉山さん(右)と内田社長=6月上旬、沼津市高島本町
沼津市の老舗書店「マルサン書店」とネット販売が人気のケーキ店「ビーハウス」(同)が異色のタッグを組む。書店業界が苦境の中、特色を持った小規模店の出店を模索していたマルサン書店と、店頭販売を断念しかけていたビーハウスが意気投合。同市高島本町にあるビーハウスの一角を改装し、7月上旬に本屋兼ケーキ屋の新店舗としてオープンする。
ビーハウスは、緻密で色鮮やかなデコレーションを施したケーキがSNSで人気を呼び、ネット注文が急増。人員不足も重なり、今夏から生産効率を上げるため、注文販売のみにかじを切る予定だった。
一方、マルサン書店は本離れやネット書店の台頭などから最盛期の9店舗から2店舗に減少。その中でも本の展示に特化し、販売しない「出張所」を長泉町に新設するなど、書籍と触れ合う場作りを模索し、新たな小規模店の出店を計画していた。
昨年12月末、同社常務執行役員の杉山孝さん(51)が、本社近くにあるビーハウスの内田一宏社長(52)からネット販売に注力する話を聞き、コラボレーションを持ちかけた。内田社長は「ケーキの調理に人と時間が割ける。店頭販売も続けられるから、ありがたい」と快諾した。
改装する店舗は、営業を取りやめていたカフェスペースを活用。調理本や児童書など約千冊の本を置き、本を読むスペースも設ける。ショーケースにはこれまでと同様、約10種類のケーキや焼き菓子を並べ、販売する予定。店舗はマルサン書店が運営を担う。
杉山さんは「老舗でも、本を売るだけで利益を上げるのは困難」と地方書店の苦境を明かす。一部は出版社から見本本を借り、後日予約販売する形として本の仕入れ値を抑える工夫もする。「別業種とのコラボは挑戦。来店者が交流できるような、地域の本屋が生きる道を探りたい」と期待する。内田社長は「本に出てくるキャラクターなどのケーキも開発したい。SNSを活用して本の購入にもつながれば」と意気込む。





