◆ アツい夏が終わって…

 9月も折り返し地点を過ぎ、“運命の一日”まで1カ月を切った。

 今年は10月11日(月)に開催されるプロ野球のドラフト会議。この時期は日々更新される「プロ野球志望届」の提出者が話題を集めている。




 夏の甲子園は史上初の“智弁対決”が大きな注目を浴び、智弁和歌山の優勝で幕を閉じた。

 聖地で自らの名を知らしめた選手もいれば、一方で今年は早くから注目を集めていた選手が甲子園までたどり着けなかったというケースも多々見られたように思う。

 そこで今回は、連日お届けしているドラフト注目候補まとめの高校生編。きのうの「投手編」に続いて、ここでは「野手」の有望株をご紹介したい。なお、既に進学や社会人入りが有力視されている選手は対象外とした。



◆ 強打者タイプに高評価

 投手は風間球打(明桜)をはじめ、小園健太(市和歌山)や森木大智(高知)が1位候補として不動の評価を得ている一方で、野手は上位候補として太鼓判を押せる選手がいない。

 とはいえ、昨年のドラフト会議を思い返してみると、上位指名が確実視されるほど前評判が高くなかった選手でも、1位や2位で名前が呼ばれるというケースがあった。

 例えば、井上朋也(ソフトバンク/1位)や元謙太(オリックス/2位)、笹川吉康(ソフトバンク/2位)といったところ。この3選手に共通している点というと、近年プロから高い評価を受けやすい“強打者”タイプであるということだ。


 今年のドラフト候補でこのタイプに当てはまる選手を探してみると、7人の名前が挙がった。彼らは、ドラフト会議当日の巡り合わせによって、想像よりも上位で指名される可能性を秘めている。

 まずは阪口樂(岐阜第一)。そのスケールの大きさから、早い段階で注目を集めていた一塁手兼外野手だ。

 一躍全国区の選手となったのは、昨年の夏。加藤翼(帝京大可児→中日5位)が投じた149キロのストレートをライトスタンド中段に叩き込むなど、4試合で4本塁打を放っている。

 しかしながら、新チームとなってから、主要な公式戦では本塁打を1本も打てなかった。これは、投手としての負担が大きかったためだと見られている。

 最終学年で不本意な成績で終わった点について、スカウト陣の一部には懸念する声も少なくない。ただ、練習試合では持ち味の長打力を見せていることから、阪口を引き続き高く評価している球団はありそうだ。


 松川虎生(市和歌山)は、貴重な強打の捕手として筆頭候補。パワーだけではなく、バッティングに柔らかさがある。

 春のセンバツでは2試合で7打数4安打、夏の和歌山大会は4試合で2本塁打8打点と、それぞれしっかりとした結果を残した。地肩の強さとフットワークもあり、プロで鍛えがいがある選手といえる。


 田村俊介(愛工大名電)と池田陵真(大阪桐蔭)、前川右京(智弁学園)は夏の甲子園でアピールに成功した。いずれも外野手だが、田村は一塁も守る。

 田村は初戦の東北学院戦で逆風を切り裂くライトへの一発を放ち、長打力を如何なく発揮した。本人は投手としても意欲を見せているが、プロ側は野手として評価している模様。

 一方、池田は初戦の東海大菅生戦で3安打をマーク。特に3本目のセンター返しは文字通り火の出るような当たりで、総合的な打撃技術の高さは高校球界で指折りの存在だ。

 また、春のセンバツ以降は調子を落としていた前川も、最後の夏に復調。甲子園で2試合連続本塁打を放つなど、パワーを見せつけた。


◆ 甲子園と縁がなくとも上位候補…?

 ここからは、残念ながら甲子園に縁がなかった選手にも触れておきたい。特に右打者の有薗直輝(千葉学芸)と吉野創士(昌平)には、高い注目が集まっている。

 高校通算70本塁打を誇る有薗は、1年夏から4番を任された強打のサード。高校生離れした体格とパワー、そして強肩が魅力だ。

 吉野は外野を守り、1年時から中軸を打つスラッガー。柔らかいスイングでボールを乗せて運べるという大きな特長を持つ。細身で少し無駄なバットの動きが大きい点は気になるが、体ができてくればさらに飛距離が出てくるだろう。


 攻守でバランスがとれたタイプの選手も紹介すると、まずは捕手の高木翔斗(県岐阜商)。攻守ともにまだ力強さが物足りない点はあるが、身長は186センチと大型で、プレーの形が安定している。モノになるまでには時間がかかりそうであるが、体格的なポテンシャルを評価する声が多い。

 捕手をもうひとり。こちらは170センチと小柄だが、中川勇人(京都国際)はキャッチングやスローイング、バッティングのすべてにおいて、高校生としてかなり高いレベルにある。こちらも指名球団が現れる可能性は高いだろう。


 このほか、走攻守の3拍子が揃ったタイプでは、粟飯原龍之介(東京学館)と福本綺羅(明石商)が面白い存在だ。

 粟飯原はもともとスピードが武器の選手だったが、年々パワーをつけて本塁打を量産している。ショートのフィールディング、スローイングも高校球界でトップクラスの実力を誇る。

 最後に福本。こちらは長打力と脚力を備えた万能型の外野手。1年秋から中軸を任されており、スピードを残したまま、上手くパワーアップした印象を受けている。

 高校の先輩である来田涼斗(現・オリックス)とよく似たタイプの選手で、来田が1年目から一軍で活躍していることも、ドラフト指名への“追い風”になりそうだ。


☆記事提供:プロアマ野球研究所




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