◆ 2年連続最下位から脅威の躍進

 オリックスが27日、25年ぶりのパ・リーグ優勝を果たした。

 オリックスは全日程を終えていたが、同日の試合で2位ロッテが楽天に敗れ、一度も優勝マジックが点灯しないまま1996年以来の優勝が決まった。

 この日が休日だったオリックスの中嶋聡監督やスタッフ、選手らは、本拠地・京セラドーム大阪内のテレビや大型画面を観戦しながら楽天生命パークの戦況を見守った。

 1-1の緊迫した試合が動いたのは20時45分ごろ、8回裏の楽天の攻撃で代打・小深田大翔が適時打を放ち楽天が勝ち越し。スタンドで家族と観戦していたジョーンズは両手をたたいて喜び、一塁側のオリックスベンチへ。9回のロッテの攻撃を、選手らはベンチで観戦し、アウトカウントが増えるたびに歓喜の声を挙げた。

 代打・佐藤都が空振り三振に倒れロッテの敗戦が確定すると、選手らは歓声を挙げて一気にマウンド付近へ。遅れて駆け付けた中嶋聡監督が、3度、宙に舞った。続いて宮内義彦オーナーも、選手らにより5度、胴上げされた。

 球場内の一室で行われた共同会見で中嶋監督は「ロッテさんが負けろと思ったことはなく、いい戦いが出来てうれしかった」と、最後まで覇権を争ったロッテの健闘を称えた。そして、「2年連続最下位からのスタート。何を言っているんだと言われたかもしれないが、絶対にトップを取ってやろうと思っていた」と、覚悟を込めて戦った末での優勝であることを強調した。

 そして、「選手全員が持てる力の10%、20%を(上積みして)出してくれた。ありがとうと言いたい」と選手に感謝。さらに「みんなに優勝の経験をしてほしかった。みんなでこれから新しい歴史を作ってほしい。(常勝軍団にするためにも)今のチームを壊すくらいの気持ちで臨みたい」と、25年ぶりの優勝の余韻に浸ることなく、前を見据えていた。


 選手会長の吉田正尚は「毎年、勝負の年と考えてきたが、今年は優勝という形で終わることができてうれしい。ファームの選手も含め、悔しい思いをしてきた選手から、今年はキャンプから絶対にやってやるという気持ちを感じていた。最後まであきらめない姿勢があった」と今季を振り返り、死球による右手首骨折からの復活には「チームの勝利がいいリハビリになった。11月10日には何とか帰って来られるように戦う準備をして戻りたい」と、CSファイナルステージからの戦列復帰に期待を持たせた。

 今季、15連勝を含む18勝を挙げてMVPの筆頭候補にも挙げられるエース・山本由伸は「昨年までは調子の波が大きかった。今季は大分、克服できたところに成長を感じる」といい、「全員で日本一をつかみたい」と、日本シリーズ制覇に思いを馳せていた。

 グラウンドで行われた祝勝会では、宮内オーナーが「こんなにうれしいことはない。25年間待ってくれたファン、12年前からの近鉄ファンに新しいファンも加わった。関西に根ずく球団としてチームをさらに強くするのが次の課題」と喜びを語り、湊通夫・球団社長は「みなさん期待されているように、公約通り、支払うものはちゃんと払います」と、コロナ禍での厳しい経営状況にも、選手の頑張りに対しては契約更改できちんと応えると、選手に約束していた。

 11月10日から始まるCSファイナルステージでは、2位・ロッテと3位・楽天の勝者と対戦し、日本一に輝いた1996年以来、25年ぶりとなる日本シリーズ進出を目指す(※2001年に近鉄が出場)。


取材・文・写真=北野正樹(きたの・まさき)


【動画】オリックス・中嶋監督から選手たちへ