巨人・増田大輝

「代走・増田大輝」の場内アナウンスが、原巨人の勝負時を告げる。育成出身、入団7年目の増田大輝の走塁は職人技だ。

「どういう場面でも、気負い過ぎるとやっぱり思い切りがなくなっちゃうので。そこだけ消さずに、思い切っていけるところは強い気持ちを持っていこうと思っています」

 その俊足と度胸は、決まって試合終盤で輝く。8月14日の広島戦(東京ドーム)では、同点の8回無死一塁、俊足の吉川尚輝への代走を告げられた。次打者の重信慎之介への2球目で二盗を成功させ、三進後に丸佳浩の二塁打で決勝のホームを踏んだ。

 原辰徳監督は「1点を取る上で最善策を取った。プロフェッショナルであるわけだしね」と信頼を語り、29歳の「仕事人」は「ネガティブにならず、攻めた結果が盗塁成功につながってくれた。成功すればチームに勢いがつくので腹をくくってスタートを切った」と胸を張った。

 9月21日時点で、今季56試合に出場したうち、34試合が代走での起用。2年ぶりの2ケタとなる11盗塁をマークしている。前半戦こそ6度の企図で成功は3度だったが、後半戦は9度の企図で8度成功。塁上に立つだけで相手バッテリーに重圧をかけている。

 ペナントレースはいよいよ最終局面。日頃から「相手投手の映像は何十回、何百回見て勉強している」と自負する「代走の切り札」が、その足で勝負を決める。

写真=BBM