伊万里の四番・捕手の梶山は小学3年時に発症した目の病気により、屋外ではサングラスが手放せない

 各メディアが発信してくれることを「助かります。ぜひ、広めてほしいんです」と語るのは、伊万里の四番・捕手の梶山勇人(新3年)である。

 小学3年時に翼状片(よくじょうへん)の発症が明らかになった。紫外線を浴びたり、ホコリが目に入ったりすることにより視力が低下する目の病気である。

 屋外ではサングラスが手放せない。もちろん、野球をする際も必需品だ。小学5年時からサングラスをかけるようになったが、当初は「小学生ですし、そこまで深刻な病気だとも思わず……恥ずかしかった」と振り返る。

 治療法がないため、進行を遅らせるためにも、「付き合っていくしかない」と現実を受け止められるようになったのは、中学生からだという。

 プレーに支障はない。小学校3年時から捕手一筋。マスク越しからのサングラス姿に、事情を知らない人が見ると“誤解”されることもたびたび。今回のセンバツ、伊万里は21世紀枠で春夏を通じて甲子園初出場。チームの柱である梶山の露出は今後、増えていくことは確実。だからこそ、本人は事前に、その病状を知ってほしいと願っている。

 洞察力に優れている。打席の位置、バットの角度など、細かな動きをチェックして、配球に生かしていく頭脳派キャッチャーだ。制球力抜群のエース右腕・山口修司(新3年)の持ち味を最大限に引き出す。バットでもチーム最多となる高校通算4本塁打をマークしており、打線のキーマンとしても甲子園での活躍が期待される。

 高校卒業後は大学進学希望だが、野球を続けるかは未定だという。将来は理学療法士を目指し、国立大学への入試準備も着々と進めている優等生。梶山の攻守の全力プレーが、多くの人々へのメッセージとなることは間違いない。

文=岡本朋祐 写真=BBM