【MLB】オープナーを次の段階へ、レイズの取り組み

【MLB】オープナーを次の段階へ、レイズの取り組み

今季、中継ぎ投手を先発に起用する「オープナー」を使い躍進したレイズ。来季はそれをさらに進化させるつもりだ


「必要は発明の母」と呼ばれる。ラスベガスで開催さえれているウインター・ミーティングで、今季レイズが使った「オープナー」を来季、複数の球団が採用する方針であると分かった。

 MLB球団にとって理想は優秀な先発投手を5人ローテーションに並べること。しかしながらFAで良い投手に逃げられる低予算チームにとっては、なかなか難しい。そこでリリーバーが先発し1回ないしは2回を投げ、一巡目の相手の中心打者を抑える。その後本来の先発投手が4、5回を投げる起用法をレイズが導入、90勝72敗の目覚ましい成績を残した。

 MLBではどこかが新しいアイデアで成功すると、よそもマネをする。今季レイズに続いたアスレチックスのボブ・メルビン監督は「使い方にも慣れてきたし、来季はもっと使う」と言う。パイレーツのニール・ハンティントンGM、ジャイアンツのファーハン・ザィーディGM、ブルージェイズのチャーリー・モントーヤ監督らも導入を考えていると語った。

 会見でレイズのケビン・キャッシュ監督は「右の豪速球投手のライン・スタネックがオープナーをして、左で多彩な変化球を投げるライアン・ヤーブローにつなげる。相手打者は全く違うタイプの投手に戸惑うし、ウチが勝つチャンスが広がる。今、チーム内では、来季はローテーションの間に2回ないし、3回使おうと話し合っている」と説明した。

 大切なことは、選手に新しいアイデアを信じさせることだった。「投手コーチやブルペンコーチがオープナーはインチキなだましの手口ではないと説明した。プロにいる投手のほとんどは、子どものころからずっと先発投手。だが勝つのにより良い方法があるなら試そうと。今は選手も理解している」。課題はもちろんあった。長いシーズン、投手が疲労をためないようにするにはどうすればいいか? 休みのない連戦でどう起用するか?「実際にやってみたことでデータも集まったし、多くを学んだ。来季はもっとうまくできる」と言う。

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦、ブリュワーズのクレイグ・カウンセル監督がドジャース相手に先発の左腕投手を一人の打者に投げただけで引っ込め、右腕のブランドン・ウッドラフに交代させたことがあった。奇策が今後、増えていくのではとの質問には「戦い方が問題だとは思わない。どのチームの監督も、現有戦力を使ってベストの戦いをしようとする。それが最良の方法と思うなら実行すればいい」と同監督は言う。

 野球の先発投手は長いイニングをという固定観念に縛られない。ちなみにこういった新しい戦い方は、データの裏付けがあり、実用化されている。レイズはウインター・ミーティングの直前にフロントでデータ分析に当たってきたジョナサン・アーリッチマンを「プロセス&アナリティクスコーチ」に任命した。全く新しい役職である。

 彼は野球経験が皆無で、プリンストン大で数学を専攻した。インターンとしてレイズに入り、フロントの正式スタッフに採用。5年間、その頭脳でレイズの戦法に大きなインパクトを与えてきた。来季、彼の分析力をより効果的に使うためにユニフォームを着せダグアウトに入れる。オープナーも次の段階に進むのである。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images


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