山口俊がポスティング制度行使! FA戦線は最終局面へ

山口俊がポスティング制度行使! FA戦線は最終局面へ

国内の移籍戦線が最終局面を迎え始め、海外移籍が少しずつ本格化している。プレミア12の陰で動いた移籍戦線を整理する。
情報は11月18日現在

世界一翌日の会見



11月18日、都内のホテルで会見を開き、巨人が山口についてのポスティング制度行使を発表

 プレミア12で世界一を決めた翌日の11月18日、都内ホテルで会見が開かれ、前夜の先発でもあった巨人・山口俊が、ポスティングシステムによりメジャー移籍を目指すことを表明した。もともとメジャーへのあこがれは強く、DeNA時代にもポスティングを希望したことがあった山口は、2016年オフにFAで巨人へ移籍する際、時期は確定しないが、ポスティング制度を行使する約束を取り付けていたという。

 巨人は過去、FAでのメジャー挑戦は松井秀喜、上原浩治などの例があるが、ポスティングシステムは一度も行使しておらず、これが初。ただ、「門出を祝すということで来ました」と会見に同席した原辰徳監督は「戦力としては当然欠かせない。だが、話を聞くと、夢挑戦、これだけだった。この夢、挑戦、これは立ち入ることができないことです」と笑顔で話していた。

 打者ではナショナルズの世界一に貢献した好打の外野手、ジェラルド・パーラ獲得に動いているとも言われるが、今季15勝4敗の先発右腕の流出は、もともと先発不足のチームにはかなり痛いはず。楽天・美馬学の獲得にも失敗し、菅野智之のコンディションも万全とは言えない中、満面の笑顔の原監督には、さらなる秘策があるのだろうか。

 海外挑戦組では、12月初旬のウインター・ミーティングを見据え、すでに11月15日、DeNA・筒香嘉智がポスティング申請を終了。ブルージェイズ、レイズ、マーリンズなど10球団が興味を示す人気となっている。理由の1つは同じ左打者、エンゼルス・大谷翔平の成功がある。日本人のホームランバッターはメジャーでは通用しない、という定説を壊し、筒香の追い風となっている。また、代理人のジョエル・ウルフ氏が筒香の売り込みに使っているのが、「サードも守れる」ということ。現在のメジャーのデータ野球の中では、職人的な守備の選手より、複数を守れるマルチなタイプが尊重される傾向にはなっているのは確かだ。

 ただ、逆に海を渡る究極の守備職人にも注目が集まる。広島の菊池涼介だ。プレミア12では離脱もあったが、セカンドのベストナインに選ばれ、自らの力で背中を押した。17年WBCでは“NINJA”と言われた守備をメジャーが注目。時代が変わっているからこそ、あの変幻自在の守備が、メジャーの常識を覆す可能性もある。ここぞの場面の泥くさい右打ちも戦力となるはずだ。ブルージェイズ、インディアンスなどが興味を示していると言われる。

 海外FAの西武・秋山翔吾にとっては故障離脱で悔しいプレミア12になったが、カブス、ダイヤモンドバックスが注目しているとも伝えられる。

ホークスが戦々恐々?



11月17日、ファン感謝デーでのロッテ・鈴木大地(右から4人目)。最後の「We Are」となった

 11月17日、ZOZOマリンに鳴り響いた「大地コール」に深々と一礼した。笑顔あふれるファン感謝デーの後、記者に囲まれたロッテ・鈴木大地の表情は硬いままだった。移籍か残留かは明言しなかったが、翌日になって球団が鈴木の退団メッセージを発表。ファンへの感謝とともに「決断した以上、中途半端にすることなく、まっすぐ、泥臭く、一歩一歩進んでいきたいと思っております」とつづられていた。

 今季、打率.288、15本塁打、68打点の鈴木がFA戦線で引っ張りだことなったのは、勝負強い打撃とともに、内野の全ポジションに加え、外野も守れるユーティリティー性にある。功労者ながら今季の開幕時にはスタメンを約束されていなかった鈴木が、自らの力で切り開き、勝ち得た評価とも言えるだろう。入団への基本合意を発表した楽天にすれば、固定できていないサードに最適なピースであり、嶋基宏が抜けたあとのチームリーダーの期待もある。

 鈴木の楽天移籍には夫人が東北出身であるのも背中を押したと言われるが、同様に出産を控える神奈川出身の夫人のことも考えたのでは、と言われるのが、楽天をFAした右腕の美馬学。ロッテ入りがほぼ決まったとも言われる。

 慢性的な先発不足のロッテにとって1年間先発ローテで計算できる美馬は、ありがたい存在。対ロッテ2勝1敗の嫌な相手を“消す”効果もある。実は美馬、ZOZOマリンを苦手にし、勝敗は1勝1敗ながら防御率6.11と相性がよくないが、頼もしいのは対ソフトバンクの3勝1敗、防御率1.97だ。それでなくともソフトバンクをカモとするロッテ。ソフトバンクは今から戦々恐々をしているかもしれない。

 FA戦線で、まだ意思をはっきりさせていないのは、ソフトバンクの福田秀平だけとなった。ソフトバンクをはじめ、西武、楽天、中日、ロッテ、ヤクルトがすでに交渉を終えているが、これまで表面的には動いていなかったFA連敗中の巨人が駆け込みで動く可能性もある。

 FA以外では11月15日、ヤクルトが楽天を自由契約となっていた捕手・嶋の獲得を発表した。34歳と年齢の問題はあるが、投手に問題を抱えるヤクルトにとっては大きな力となるだろう。近年、パからセへの捕手の移籍は一つのトレンドともなっており、巨人に炭谷銀仁朗(前西武)、DeNAに伊藤光(前オリックス)、中日に大野奨太(前日本ハム)が移籍した。パ高セ低の時代とともに、パの野手の世代交代の早さも背景にはあるかもしれない。

写真=BBM


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