読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンクの柴原洋氏だ。

Q.小学生です。プロの打球について質問します。ストレートを打った打球と、変化球を打った打球では違いはありますか。(秋田県・10歳)



A.直球を打ったときの打球の変化のほうが大きい印象もバッターのインパクトによって大きく変わる



球種よりはインパクトによって打球の質に変わるという(写真は巨人・坂本勇人)

 面白い質問ですね。ですが、私も現役時代、さまざまな打球を外野手として受けてきて、どんな球種のボールが飛ぶのか、打球の質(ラインドライブがかかる、スライスする、伸びていくなど)が変わるのか、などいろいろと考えるときもありました。

 経験上、変化球よりもストレートを打ったときの打球の変化のほうが大きい印象で、変化球のほうが打球の変化は少ないと感じていたのですが、とはいえそれも大きな違いではありません。結論としては、飛距離も質も球種自体に左右されるというよりも、バッターのインパクト(の強さや、ボールとバットの当たった角度)によって変わる、ということです。

 どういうことかというと、例えば変化球を待っているバッターがいたとします。このようバッターはストレートに比較して遅い変化球に対し、ためて、ためて、インパクトの瞬間に100パーセントの力をぶつけていきますから、かなりの飛距離が出ます(もちろん、芯でとらえた場合です)。一方で、ストレート系の速いボールを待っていたバッターが、変化球でかわされそうになり、何とかとらえたものは、前者に比較してインパクトでのパワーは弱まりますから、同じ変化球を打ったとしても、飛距離はあまり出ません。

 また、ストレートを待っていた場合もそれなりのスピードで(ここでは仮に140キロとしておきましょう)、それなりの球威のボールをとらえると、かなりの飛距離が出ると思いますが、これが150キロ、160キロとなると、ストレートを待っていたとしても球威に圧されて飛距離は落ちるのではないでしょうか。

 打球の質に関してはバットのどこの面(芯なのか、上面なのか、下面なのか、根元なのか、先端なのか)でボールをとらえたのか、どの位置(前でさばいたのか、振り遅れているのか)でコンタクトしたのかによって異なってきます。

 面で言えば、たとえ芯でも真芯でとらえるとラインドライブがかかりがちですし、ややボールの下面をとらえれば伸びる打球になり、ボールの上っ面を叩けばゴロになります。バットの先端なら変な回転が掛かりますし、根元ならば詰まって打球が来ない。これにインパクトの位置も加味されますから、素直な回転の打球のほうが少ないですね。

写真=BBM

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

『週刊ベースボール』2019年11月25日号(11月13日発売)より