開幕から2カ月半が経過したペナントレース。各チームは日程の1/3以上を消化しているが、果たして先発エースはしっかりと働くことができているか。その出来がチーム浮沈のカギを握る存在。パ・リーグ6球団のエースを100点満点で採点した。
記録は6月7日現在

オリックス・バファローズ



オリックス・山本由伸

山本由伸 60点

 本調子ではない山本由伸だが、防御率はリーグトップの2.29を残しているから末恐ろしい。5月19日のロッテ戦(京セラドーム)では自己ワーストの6回6失点と、5月はプロ入り初の自身3連敗を喫するなど、制球が定まらず痛打を浴びた。それでも交流戦に入ると、28日のヤクルト戦(京セラドーム)で7回2失点、6月4日の中日戦(バンテリン)も7回1失点と復調。最速157キロの直球に、鋭い曲がりのカーブも冴え、徐々に本来の姿に戻りつつある。自身の成績は5勝5敗。登板11試合のうち、10試合で自らに勝敗がついていることが物語るように、背番号18の“奮投”が、チーム浮上への道だ。“負けない投手”を期す右腕は、これ以上、黒星を喫するつもりはない。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・千賀滉大

千賀滉大 20点

 両ふくらはぎのコンディション不良で開幕不在。出遅れた千賀滉大にとっては1日も早く一軍のマウンドに立つことが目標だったはずだ。だが、迎えた“開幕戦”(4月6日の日本ハム戦=札幌ドーム)、エースを悪夢が襲う。無失点のまま迎えた6回、渡邉諒の投手強襲ライナーを捕球した際に左足首をひねって転倒。一度は打撲と診断されたものの、最終的な診断は左足首のじん帯損傷(全治2〜3カ月)だった。エースの復帰とともに調子を取り戻すかに見えた先発陣にも再び暗雲が。とはいえ、やはりエースはエースだ。順調過ぎるほど順調にリハビリを重ね(写真はリハビリ当初)、現在ではブルペンを使っての投球練習も再開。工藤公康監督も「当初に予定より少し早くなるんじゃないか、と聞いている」と言及した。この次は離脱することなく、チームを連覇に導く投球を続けてくれるはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・則本昂大

則本昂大 75点

 田中将大が8年ぶりに古巣へ復帰し、パ・リーグのライバル球団から加わった岸孝之、涌井秀章もいる。そんな状況の中で今季、則本昂大が生え抜きエースの復権をアピールしている。自身の交流戦初戦となった5月26日の巨人戦(東京ドーム)では悪夢の1イニング3被弾を経験。それでもめげることなく、しっかり調整してきた。6月2日のヤクルト戦(神宮)では6回3安打1失点と力投。10個の三振を奪い、球団新となる自身通算40度目の2ケタ奪三振をマーク。6月の時点で勝ち星は過去2年の5勝に並び、エースとしては合格点を与えられる成績だが、本当の勝負はここから始まりそうだ。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・石川歩

石川歩 20点

 手痛い離脱だ。昨季まで2年連続で開幕投手を務めた石川歩。足のコンディション不良で開幕に間に合わず、初登板は開幕6カード目、4月13日の楽天戦(楽天生命パーク)だった。同戦は7回1失点で白星発進も、直近2試合は序盤、中盤に失点を重ね、5月14日の西武戦(ZOZOマリン)は6回4失点、5月21日の楽天戦(ZOZOマリン)では5回6失点で2敗目を喫した。すると6月3日に右ヒジ関節クリーニング手術を行い、全治は3〜4カ月と長期離脱。今季中の復帰は微妙と、エース不在で先発ローテーションのやりくりも苦しくなっている。

埼玉西武ライオンズ



西武・高橋光成

高橋光成 85点

 今季、7年目で初の開幕投手を務めた高橋光成。3月26日、オリックス戦(メットライフ)で7回1/3を3失点とまずまずの投球を見せて開幕勝利をつかむと、そこから10試合で負けなしの5連勝をマーク。相手のエース級と投げ合う金曜日に勝ち続けるのは価値があり、ゲンを担いで伸ばし続けていた長髪も話題となった。辻発彦監督も「だいぶ大人のピッチングをするようになった」と目を細めていたが、6月4日のヤクルト戦(神宮)で3回10失点の大乱調で今季初黒星。「1週間調整して満を持して投げるんだから、エースと言われるなら、そういうところを背中で感じさせないといけない」と辻監督は一転、苦言を呈したが、高橋にとって次回登板が重要になる。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・上沢直之

上沢直之 80点

 楽天との開幕戦(楽天生命パーク)は4回2/3を6失点で降板し、2戦目のロッテ戦(札幌ドーム)も5失点で2敗目と波乱のスタートだったが、その後は見事に復調。8試合連続クオリティースタートの安定感で6月1日の広島戦(マツダ広島)では自身最長の5連勝で5勝目を挙げた。楽天・田中将大との対戦では2連勝。「絶好調ではないはずだけどしっかり試合を作って勝ち切れる。これがエース」と栗山英樹監督も全幅の信頼を寄せる。代名詞である“高速フォーク”の投げ方を修正したことで、不振を脱した。波に乗りきれないチームで“負けない”投球を続けるエースとしての功績は大きい。今後の期待値も込めて80点。

写真=BBM