プレミア12では鈴木が四番



広島・鈴木誠也

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督が6月16日に東京五輪日本代表の内定24選手を発表した。24人の内訳は投手11人、野手13人。球団別で広島が最多の5人で、ロッテからは12球団で唯一代表選手が1人も選ばれなかった。チームのベースとなっているのは19年のプレミア12の優勝メンバーで半分以上の14選手が選出された。

 短期決戦は打撃の調子も重要な要素になる。不調の選手の復調を待っている間に大会は終わってしまう。打順が流動的になる可能性もあるが、四番の最有力候補は広島の鈴木誠也だろう。19年のプレミア12では全8試合で四番に座り、打率.444、3本塁打、13打点と大活躍。首位打者、最多打点、最多得点のタイトルを獲得し、大会MVPで初優勝に貢献した。19年に打率.335で首位打者を獲得するなど、16年から20年まで球団初の「5年連続打率3割」の快挙を達成し、プロ野球史上4人目の「5年連続打率3割、25本塁打」もクリアするなど実績は十分。「メジャーに最も近い野手」として、海外でも注目度は高い。稲葉篤紀監督は四番候補に鈴木の名前を挙げ、全幅の信頼を置いている。

 だが、四番を担える力量を兼ね備えている強打者は鈴木でだけではない。成長著しいのが野手最年少の21歳で侍ジャパンに選出されたヤクルト・村上宗隆だ。19年に全143試合出場で打率.231、36本塁打、96打点をマーク。高卒2年目以内のシーズンで最多本塁打、最多打点と覚醒すると、確実性が格段に上がった昨季は不動の四番として打率.307、28本塁打、86打点。リーグ最多の86四球で最高出塁率(.427)のタイトルを獲得した。今季も13日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で和田毅のスライダーをバックスクリーン右に運び、両リーグ20号一番乗りを果たすなど、不動の四番として20日現在、打率.274、21本塁打、47打点をマークしている。


ヤクルト・村上宗隆

 ヤクルトの元監督で野球解説者の真中満氏は村上の打撃フォームを連続写真で分析する週刊ベースボールの企画で、「最初から最後まで一貫して体の軸がブレないことが、彼のフォームの強みだと思います。パワーもあり、足を大きく上げたりして力を爆発させなくても長打が打てるので、こうしたシンプルな打ち方でいいのでしょう。一見、アベレージを狙える打者の打ち方ですが、ホームランも打てる。まさに“最強”ですね」と絶賛している。今回の東京五輪に選出されたメンバーの中で、本職の三塁で選ばれているのは村上のみ。攻守に大きな期待がかかる。

規格外のパワーと確実性を併せ持つ打撃



ソフトバンク・柳田悠岐

 ソフトバンクの柳田悠岐も四番で起用される可能性は十分ある。出塁率が高いことから侍ジャパンではクリーンアップだけでなく、一、二番で起用される選択肢も考えられる。規格外のパワーと確実性を併せ持つ打撃は大きな魅力だ。2018年にMLB選抜と対戦した日米野球では「五番・中堅」でスタメン起用された第1戦目で9回にサヨナラ逆転2ランをバックスクリーンに叩き込むと、「四番・DH」で先発出場した第2戦目も2試合連続アーチを放つなど4打数4安打4打点の大暴れ。MLB選抜を率いたマーリンズのドン・マッティングリー監督から「今、マーリンズには左打者が足りないから、すぐにでも連れて帰りたい」とラブコールを送られるほどだった。

 鈴木、柳田は長打力があるがアベレージヒッターとして色分けされる。一方で、村上は生粋のホームランアーティストといえる。三者三様でタイプは違うが、相手投手に脅威を与える強打者であることは共通している。東京五輪で四番を担うのは誰になるか。稲葉監督の決断が注目される。

写真=BBM