現在、セの本塁打トップを走る巨人・岡本

 9月19日時点でのセ・リーグの本塁打争いは、巨人の岡本和真が37本でトップに立っており、ヤクルトの村上宗隆が35本でこれを追っている。このペースなら2人とも40本の大台に乗る可能性もあるが、最終的に同数でなければどちらかがタイトルを逃すことになる。では、40本以上もの本塁打を放って「本塁打王になれなかった選手」はいるのだろうか?

1リーグ制時代から39人が40本以上でタイトルを逃す



80年のパは南海・門田(写真)ら4人が40本塁打以上しながらタイトルに届かず

 これまでにシーズン40本塁打以上を記録した選手は57人。中には、同じシーズンに複数の選手が40本以上を記録するケースもあった。その場合は、本塁打数トップの選手以外はタイトルを逃すことになる。こうした40本以上を記録しながらも本塁打王になれなかった選手を調べたところ、以下のようになった。

【1リーグ時代から1999年まで】
西沢道夫 1950年・46本塁打(中日)
ロバーツ 1968年・40本塁打(サンケイ)
野村克也 1970年・42本塁打(南海)
土井正博 1971年・40本塁打(近鉄)
長池徳二 1971年・40本塁打(阪急)
大杉勝男 1972年・40本塁打(東映)
田淵幸一 1974年・45本塁打(阪神)、1980年・43本塁打(西武)
ブリーデン 1976年・40本塁打(阪神)
マーチン 1976年・40本塁打(中日)
マニエル 1977年・42本塁打(ヤクルト)
山本浩二 1977年・44本塁打、1979年・42本塁打(広島)
ギャレット 1978年・40本塁打(広島)
リー 1980年・41本塁打(ロッテ)
門田博光 1980年・41本塁打(南海)
ソレイタ 1980年・45本塁打(日本ハム)
デービス 1985年・40本塁打(近鉄)
掛布雅之 1985年・40本塁打(阪神)
秋山幸二 1985年・40本塁打、1986年・41本塁打(西武)
宇野勝 1985年・41本塁打(中日)
ブーマー 1986年・42本塁打(阪急)、1989年・40本塁打(オリックス)
落合博満 1989年・40本塁打(中日)
松井秀喜 1999年・42本塁打(巨人)

 1リーグ時代から1999年までの期間では、22人が40本以上を放ちながら本塁打王を逃した。中でも多かったのが1980年のパ・リーグで4人が40本以上を打ってもタイトルに届かなかった。1985年のセ・リーグも2人が40本以上を放ったが三冠王のバース(阪神)が54本塁打という、王貞治のNPB記録(当時)にあと1本に迫る数字を残したため、40本打つぐらいではまったく歯が立たなかった。

03年のカブレラは50本塁打も……



03年の西武・カブレラは50本塁打しながらタイトルを奪えなかった

 2000年以降では以下になる。

【2000年以降】
小久保裕紀 2001年・44本塁打(ダイエー)、2004年・41本塁打(巨人)
中村紀洋 2001年・46本塁打、2002年・42本塁打(近鉄)
カブレラ 2001年・49本塁打、2003年・50本塁打(西武)
ペタジーニ 2002年・41本塁打(ヤクルト)
ローズ 2002年・46本塁打(近鉄)、2007年・42本塁打、2008年・40本塁打(オリックス)
岩村明憲 2004年・44本塁打(ヤクルト)
多村仁 2004年・40本塁打(横浜)
ラロッカ 2004年・40本塁打(広島)
ズレータ 2005年・43本塁打(ソフトバンク)
金本知憲 2005年・40本塁打(阪神)
イ・スンヨプ 2006年・41本塁打(巨人)
ラミレス 2008年・45本塁打(巨人)
阿部慎之助 2010年・44本塁打(巨人)
ブラゼル 2010年・47本塁打(阪神)
ブランコ 2013年・41本塁打(DeNA)
坂本勇人 2019年・40本塁打(巨人)

 2000年以降では16人が40本以上打ちながら本塁打を逃している。直近では巨人の坂本が2019年に自己最多の40本塁打をマークするも、DeNAのネフタリ・ソトに3本及ばなかった。また、アレックス・カブレラは2003年に50本という、普通なら本塁打王になれる数字を残したが、タフィ・ローズが51本塁打で上回ったためタイトルを逃した。50本打って本塁打王になれなかったのはこれまでカブレラただ一人だ。カブレラを1本差で下したローズも、2002年、2007年、2008年と3度も40本以上打ちながらタイトルを逃している選手。それだけ本塁打争いに絡むことが多かったのだ。

 シーズン40本以上はこれまで57人が記録しているが、このうち38人が40本以上放ちながらタイトルを逃している。中にはこのシーズン以降40本に届かなかったという選手もおり、本塁打王になる千載一遇のチャンスを逃した形だ。今季はまだ30試合前後残っており、本塁打王争いもまだまだ分からない状況。40本以上打ちながらも本塁打王を逃す選手は出るのか、それとも同数受賞となるか、本塁打王争いの行方に注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM